新しいプリンシパルが誕生しました | 大好きな日々の覚え書き

大好きな日々の覚え書き

デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

23日(土)、『白鳥の湖』の再演初日の公演後、デンマーク王立バレエ団に新しいプリンシパルが誕生しました。

デンマーク王立バレエ学校出身のデンマーク人、Astrid Elbo がその人です。

178cmあるんじゃないかな?と言うほどの長身で、演技力と表現力が抜群、女優としても活躍しているとても美しいバレリーナです。

任命するために舞台に立った芸術監督は、スピーチの途中で感極まって涙声になっていました。

彼女をプリンシパルにするのは、彼の悲願だったようです。


ダンサーたちにも祝福されて、任命式は何度見ても感動的ですね〜!

本当におめでとうございます。


ジョン・ノイマイヤーの『オセロ』のキャンセル騒動があった時に、DR(デンマーク放送)で『バレエと人種差別』(意訳)と言うテレビ番組が放送されました。その中で、若いダンサー代表のようなかたちで出演してインタビューに答えて、何故キャンセルの決断を支持するのかを、ダンサーの立場から説明していたのはAstrid Elboでした。


「バレエ団のダンサーには基本的に、作品を選ぶ権利も、振付を選ぶ権利もない」と説明しながら「ダンサーの『尊厳』が忘れられがちである」「たとえ作品の中のその場面のその振付に人種差別の意図は無かったとしても、それが現代に生きる生身のダンサーの尊厳を否定するような振付で、来る日も来る日も、自分の体を使って踊り、舞台に立つことに精神的苦痛を感じるようなものであるなら、色んな分野で権利が見直されている今、踊ることを拒絶する権利がダンサーにもあって当然だ」とバシッと発言していました。


それを聞いて私は、(なるほど、そう言う考えか、そう言われると納得が行くし、確かにそうだ!そんな振付を踊る必要はない、振付家が取り除くのを拒否するなら上演出来ないのは当然だ!私だってそんなのは観たくない!)と同意したのを覚えています。


他にも、番組の中で今後の古典バレエのあり方についてなど、若いダンサーの立場でしっかり発言していて、(とても頭のいい人なのだなぁ〜)と言う印象を受けました。


見ることが出来るか分からないし、デンマーク語なのですが、番組のリンクを下に貼り付けておきます。

https://www.dr.dk/drtv/se/kulturelt_-dansen-med-racisme_324951


アストリッドさんの今後益々の活躍に期待します。