モナコの息子のその後 | あるバレエママの告白

あるバレエママの告白

デンマークの暮らし、教育、子どもたちを通して知ったバレエのこと、旅行の話などなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

先週の土曜日、ブダペストに到着してホテルで一服した後、夕食前にドナウ川沿いを散歩しようと出かけ、(Wow〜これがドナウなのね〜!)なんて浮かれて主人と自撮りなどしている最中に、息子からメッセージが届きました。


「足の親指を捻挫して踊れなくなってしまった」


も〜〜浮かれた気分が一気に冷めてしまいましたよ!


私たちの家族の携帯は、ヨーロッパ内なら普通に通話ができる契約なので、息子とも通話が出来ると思い込んで出発したのですが、電話が繋がらなくて、モナコは契約内の国の中に入っていないことをその時初めて知りました。


ドナウ川沿いの散策を中止して、フリーWiFiのあるホテルに急いで戻りました。


土曜日は、朝の古典クラスの後コンテの発表会があってプログラム終了だったので、今頃はリラックスして週末を楽しんでいるのだろうなぁ〜!?と思いきや、全く別のことになっていて焦りました。


朝のクラスの一番最後のジャンプで着地に失敗して右足の親指を痛めてしまった、コンテの発表会は棄権した、と言うのです。


「クラスでヘマして怪我をする」と言うことは、誰よりも早く稽古場に行って慎重にウォーミングアップする息子の、12年間のバレエ人生で初めての事で、(なんで、今、この時に〜〜〜!!!)と言う自分への怒りと悔しさでかなり凹んでいる様子でした。


手術後1年間のリハビリ生活の後、その後遺症で両足の親指を次々と痛めて、それぞれ約2週間ずつ再びバレエから離れることになったばかりのこの怪我で、(オイオイまたかよー???)(踊れないなら荷物畳んで帰国した方がいいんじゃない?)(バレエに向いていない体なのかも?)(もう辞めちゃえーー)みたいな、最悪の精神状態だったようです。


とにかく慰めて落ち着かせ、ビデオチャットで親指の状態を見せて貰ったら、幸い酷い腫れはなく、色の変化もありませんでした。


痛みは増しているらしかったので、時間が経ったら腫れてくるかもしれないし、色も変わるかもしれないけれど、骨折や内出血はしていないようでした。それほど重症ではないように見え、次の週は休むことになっても翌々週はトレーニング出来る希望まで捨てるのはまだ早いように思われました。


だから、心を鬼にして「帰国しても誰も家にいない、取り敢えずそこに残って様子を見て、周りの大人に良く相談するように」と指示しました。


息子は既に先生には暫くトレーニングができないことは伝えていて、世話係の人にも相談して、アポイントが取れ次第、理学療法士に診てもらう約束になっていました。


「それなら、もう出来ることは全部した。起こってしまったことにクヨクヨし続けても何も始まらない。もしお母さんがあなたの立場だったら、松葉杖借りて、モナコの街に見学に出て、気晴らしするな〜」ってアドバイスしました。


部屋にひとりで閉じこもっていたい!もう放っておいてくれ!みたいな投げやりな気持ちだったようですが、翌日、日曜日の午前中、息子は松葉杖を借りて、カナダから来た男子と2人でモナコ見学に出かけたそうです。


そして、日曜日の午後に、救いのエンジェルたちがやって来たのでした〜!


それは、パリの子ネズミちゃんたちと入れ替わりで同じ部屋で1週間暮らすことになった、侍キッズたちでした。


遠い「日出る国」からグループでやって来たキッズたちの中の男子2人でした。まだ11歳の侍キッズたちなので、言葉が不自由な状態だったようで、日本語を使うチャンスが出来た息子は、2人のお世話がかりとして、寮内を案内したりすることが出来、「役に立てた感」を味わわせて頂けたようです。


怪我の状態は相変わらず痛みはあったものの、腫れや色が酷くなることはなく、超可愛い侍キッズたちの出現で精神状態が一気に向上していた息子でした。


月曜日はトレーニングを休んでいましたが、見学してみっちりノートを取ったりしていました。


学校から私の方に連絡があり、息子に起きたことの説明と医師の診察を受ける許可、保険の申請に必要な書類に関する質問などがありました。


私は観光しながら、学校に返信したり、息子と連絡を取り合ったりしていました。


そして火曜日に医師の診察を受け、レントゲンまで撮って検査をして、「軽傷であること」「炎症を抑えるために抗生物質を飲んで痛みがひき次第トレーニングに戻れること」がわかりました。


学校からも私の方に事後報告がありました。


追記: 診察料は、薬代やレントゲン代を含めて約300€(46000円強)かかりましたが、幸い家族旅行保険に入っているので、それは直ぐに全額戻ってきました。


抗生物質と一緒に持ち帰った、デンマークでは滅多に処方してもらえない強い痛み止めのお陰で、痛みを全く感じなくなった息子は水曜日からトレーニングに戻ることが出来ました。


先週の後半は、思い通りにトレーニング出来たようでした。そんなわけで、息子の方はめでたし、めでたしでした。


でも、でも、実は、その間、私自身が息子どころではない酷いヘマをしてしまって、息子に言った言葉を自分自身に投げかけなければならない状態になってしまったのでした。


今回は、息子のことだけにして、自分のことは別の機会にかくことにします。


なんだかんだ言って、私は元気に観光が出来ましたし、自分以外に被害はなかったことなのでご安心を!


それでは今日はこの辺で!


まったね〜!


ブダペストの中央市場でお土産に買ったスマイリーピクルス!色んな野菜が可愛らしく酢漬けされていて、一瓶たったの1000フォリント(約400円)でした。デンマークの物価に慣れている私にとっては「安〜い!!!」で、値段を聞いてビックリしました。