三角骨障害 | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

今日は、「三角骨障害」について書こうと思います。

「三角骨」と言うのは、10%くらいの健常者が足首に持っている、余計な骨(過剰骨)で、普通に生活している場合、持っていても気付かないほど小さな骨です。

でも、つま先立ちで足の甲を伸ばす動作を強いられるクラッシック・バレエダンサーがその骨を持っていると、周りの神経を刺激して痛みが走る「三角骨障害」を起こしてしまいます。

過去の経過を知って頂くためには、良かったら、まず3年前に書いた下の記事を読んで下さい。

https://ameblo.jp/mwins/entry-12548772237.html


右足が伸びない、痛い、(三角骨障害かもしれない?)と、当時中学2年生だった息子は、とても悩んでいました。


バレエ学校専属の理学療法士さんに相談してレントゲンを撮りましたが、骨は見つかりませんでした。


痛みを和らげるためにカイロプラクティックに通った体験を書いたのが上の記事です。カイロプラクティックには3回通いましたが、「効果がない」と息子が自分で判断したので、通うのをやめました。


以来、定期的に理学療法士さんの診察を受けながらも、特に治療することなく過ごしていました。


痛みは残ったままでした。


3年間、痛みと付き合いながらバレエを続けて来たと言うわけです。


初めは右足だけだったものが、中学3年生になった頃から左足にも症状が出始めました。


息子は、三角骨はないのになぜそこが痛いのか?理由がわからないまま、痛みを堪えて、毎日トレーニングし続けて来ました。


研修生になって、トレーニングは益々ハードになり、痛みは増しました。でも、トレーニングを休んだことはありません。


痛みでルルベが出来ない、と言う日はあったようです。


息子に痛みがあるのは誰もが承知していたのですが、理学療法士の指導で、足の運動を続ければ大丈夫だろう!と安心していました。


左足も痛み始めたのは、右足をかばうために左足で無理をしたからだ!と思っていました。


「この痛みがあっては、踊り続けることは出来ない、バレエに僕の将来が見えない。諦めようと思う」


息子にそう私が告げられたのは、去年の暮れでした。それを聞いて初めて痛みの深刻さに気付いた呑気な母親でした。


11年間頑張って来たのに残念だな〜と思いましたが、耐えられない痛みをおしてまで続けるものではない!と、承知しました。


「でも、この痛みには絶対原因があるはずだから、それを突き止めてからやめたい!」


理学療法士さんに息子がハッキリそう伝えると、変化が起こりました。


検査を受けることになり、レントゲンの結果、まず右足に三角骨が見つかりました。


そしてCTの結果、レントゲンには写っていなかった左足の三角骨も見つかりました。


なんと、両足に三角骨があったことがわかったのです。


体が成長過程で、恐らく骨があまりにも小さくて、以前はレントゲンには写らなかったものと思われます。


「手術をして両方とも取り除きましょう!100%保証は出来ないけれど、大抵の場合は、以前の甲の伸びを取り戻せます」


バレエ団専属の整形外科医とのミーティングで、私たちはこう告げられました。


狐につままれたような気がしました。


三角骨は内視鏡手術で片足ずつ取り除くそうです。ダンサーには良くある手術で、ほとんどの場合良い結果が出るそうです。


ただし、手術をするのはバレエを続ける場合だけです。続けなければ、放っておいて問題がない骨だから手術はしません。


息子は、自分が言い続けて来たことがやっと証明されて、心からホッとしたようです。


本当にサッパリした明るい顔をしています。


もうこれで思い残すことはない!と言いたいところですが、一度はやめようと決心したバレエでも、思いがけず白黒がハッキリして、手術をすれば痛みもなく続けられる可能性を提示されて、息子の心は、今揺れています。


決断のデッドラインは3月1日、その日は迫っています。


もし断念するなら、転校しなければいけないので、その日までに、来学年から通うことを希望する高校に願書を送らなければならないからです。


私は何も言わず、息子の決断を尊重するつもりです。