カイロプラクティック | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

今日は、バレエ少年の息子と私の、カイロプラクティック初体験について書こうと思います。

クラッシックのバレエダンサーにとって「足(foot)」がとても大切で、「足のアーチ」「伸びた美しい甲」は、技術的に、芸術的に、より繊細で完璧な表現を極めるために必要不可欠だ、って言うことは、プロダンサーを目指す子やその親なら、誰もが実感していることだと思います。

デンマークバレエ学校では、入学試験でも、足が重要な審査のポイントになっています。伸びる可能性が認められない子は入学出来ません。

息子の周りには、生まれつきクッと甲が出た、いわゆる「馬の頭のような足」の持ち主が普通にいます。

入学できたものの、そう言う足を持っていない息子は、努力で出来る限り伸ばすしかありません。

そして、右と左で自分の足の伸び方に違いがあるのが息子の悩みの種です。

「人間の体は、右と左で違うが当たり前」
「右も左も、足の伸びに問題はない」

バレエ担当は息子に常にこう言っていて通知表の「足の伸び」の項も、ABCならA評価です。

今思えばかれこれ2年前、

「片方の足が思うように伸びない」「かかとに痛みがある」

息子はそうバレエ担当に自分で申し出て、バレエ学校の理学療法士(フィジオ)の先生の診察を受け始めました。

診察の結果、右と左で伸びに違いがあるのは確か、痛みの原因は、伸ばそうとして無理するから、でした。

以来、定期的にフィジオの先生の診察を受けて、勧められるトレーニングをしています。

去年の11月は伸びない方の足の「三角骨」さえ疑って、手術をすることになるかもしれない、とバレエ団の整形外科医の診察とレントゲン検査を受けました。

が、幸いそうではありませんでした。

「手術はしなくていい」と言われて、私は心底ホッとしたのですが、なんと息子はガックリしていました。

手術すれば、足の伸びと痛みの問題がサッパリ解決すると思っていたようです。

バレエ担当は、最近持った対話で、「足は十分に伸びている……彼は完璧主義者だから……思春期は色々思い悩むので……痛みも思い込みだと思われる……そのうちおさまるでしょう」などなどとおっしゃって、心配は全くしていないようすでした。

「痛み」といっても、普通にトレーニングは出来ているし、怪我と言うほどではないらしかったので、ただそっと見守っていればいいんだ、と思っていました。

ですが、息子は「バレエ担当は僕を理解していない、痛みがあるんだ、なんらかの施術で良くなるはずだ!」と言って、どうしても納得が行かない様子。

フィジオ(理学療法)に関しても、ただ気休めのカウンセリング、何度行っても効果はない、と息子は感じていたようです。

そして私が知らないうちに自分で色々調べていたのです。

そう言えば最近ポツリ、ポツリと次のようなことをつぶやく息子でした。

「バレエをしていなかったら僕の体は全く違うものになっていた」
「バレエが僕の体を作ったんだ」
「今、僕が悩んでいることは、確かに僕の思い込みで、頭の中で起きていることが原因かもしれない。でも、思いが体を作るってこともあるんだ」

中々興味深いことを言うな〜〜、とは思っていました。

バレエをしていなかったら、足のことでこんなに悩むこともなかったし、確かに、息子は、8年前にこうなるだろうなぁ〜〜と私が想像していたのとは別の体型に成長しつつあります。

バレエへの思いと行いが、彼の体を作っているのは確かです。

とにかく、息子は色々調べた結果、カイロプラクティックこそ問題を解決してくれる救世主に違いない!と言う結論に至ったのでした。

そして、学校のフィジオの先生に「先生が勧めるカイロプラクターを紹介して欲しい」と自己談判して、連絡先を教えてもらって来ました。

もうここまで来たら、息子の気持ちに寄り添うしかありません。母親としては、行動するしかない!と思いました。

そして紹介されたカイロプラクターに電話して、アポイントを取りました。

前書きが長くなりましたが、そんな経過で、カイロプラクティックに行って来たのが、今日だったと言うわけです。

カイロプラクターの先生は、前もってバレエ学校のフィジオの先生に連絡してくれていて、息子の病歴(?)に通じていました。

息子の語る病歴もジックリと聞いてくれた後、両足を触診して、その後、痛みが出やすく、硬い方のかかとを柔らかくするため、仰向けとうつ伏せになって、ポキッ、ポキッそしてまたポキッと3度施術してくれました。

「何度か施術すれば、痛みは取れて、両足同じように伸ばせるようになる前向きな予感がある」と施術後カイロプラクターの先生は言いました。

本当なのか、気のせいなのかわかりませんが、瞬時の施術で、息子は「伸ばしても以前ほど痛くない」「効いた!」と喜びました。

バレエ団のダンサーの施術を何度もしているカイロプラクターの先生の施術は安心でした。

が、約20分間の初回の施術費は598クローネ(約一万円)でした。3分の1はプライベートの健康保険から払い戻されるけれど、噂に聞く高額です。

「この痛みは出来るだけ早いうちに取らないと、大きな怪我に繋がりかねない」と先生は言っていたので、私も、(大怪我への警告を受けたと思ったら来て良かったんだ!)とは思いました。

でも、息子の足の問題が完全に解決するかどうかに関しては、まだ半信半疑です。

西洋医学のみを信じる長男、次男や主人からは、「何?カイロ?スードウ療法じゃないの?背骨ならまだしも、足だろ!?全く無意味だ!」「絶対に何度も行くアポイントだけは取ってくるなよ」と言われて出かけていました。

でも、私は2回目の施術の予約をして帰宅の途についたのです。

カイロプラクターに希望の光を見た、バレエ少年の気持ちに寄り添うために……。

でも……ただでさえお金がかかる12月に、この出費は予想外、今このブログを書きながら、改めて冷や汗かいてます。