と言うような指摘で始まる興味深い記事を読みました。
その記事は「デンマーク人が示した従順さは、危機や権威への恐れから来る盲目的な服従ではなく、この事態への社会的な自己責任を思考した結果の個々の決断で、デンマーク国民の教養の高さを示している」と言う、自画自賛的な結論で終わっていました。
デンマークでは、5週間の緊急事態の成果で、医療崩壊の危機は免れ、1日に確定される感染者数、死者数、共に順調に減少し、さまざまな制限の解除も段階的に始まっています。
確かにデンマーク人は、一致団結して、本当に良く頑張ったと思います。
それは、わかりやすく透明性のある情報を提供して国民の信頼を得る努力をした政府の功績でもあります。
特に、「毎日何人検査して、何人感染者が出て、何人が死亡した」だけではなく、「何人が集中治療室にいて、そのうちの何人が危篤状態」か、と言う情報は医療機関の緊迫度を示すバロメーターとして参考になりました。
集中治療室で働くための講習を受けていた私の長男でしたが、結局、1日だけ呼ばれて出勤しました。集中治療専門医ではないので看護師として(医師の給料を貰って)働いたそうですが、その直ぐ後に、コペンハーゲン中心部の大学病院に特設されたその臨時集中治療室は、患者不足と言うことで一時閉鎖されました。
緊急事態の5週間、新型コロナ以外の分野においては(癌治療、小児科、等々、重病、急を要する治療は通常通り行われていたことを追記します)、救急患者以外は規模が縮小されていたため、我が家の医療従事者たちは、この一大事にそれも変な話ですが、通常より暇していた状態でした。
先週からすでに再開している公立医療機関、保育施設、小学校(5年生以下)、民間企業、に加えて、明日月曜日からは、美容院、マッサージ、タトゥーサロン、理学療法士、歯医者、眼鏡専門店、私立病院、車の路上教習などなど他にも複数の商業活動個人事業が再開されることになりました。
心配されるのは、それによって、国民がAグループ(再開)とBグループ(引きこもり)に分けられてしまうことらしいです。
今までのような団結感が徐々に失われ、成功の大きな要因だったソーシャルディスタンスが崩れるかもしれないからです。
そんなに沢山の人が通勤出来るなら、私が家族や友だちと会って少し楽しむくらいなんでもないはず!
そんな風に考えて、既に気持ちを緩め始めている人がいるように感じられます。
今まで、感染の恐れから、一歩もアパートの外に出ようとしなかった義母でさえ、「私だってそろそろ外に出てみたい」と言い始めています。
「あなたのような危険グループの人が安心して外に出れるのは、最後の最後。もう少し我慢して!」
きつい嫁にバシッと言われてショボンとしていました。
自分の頭で考えて、自分の利益のためでなく、社会のために行動する、真の教養が試されるのは、実はこれからなのではないかなぁ〜と思います。
ブナの若葉が萌えはじめ、デンマークは最高に美しい季節を迎えています。
外に出たい気持ちわかるなぁ〜!義母の犬といつも私が散歩している道に、彼女も連れて行ってあげたいな〜!