「私が日本に住む理由」の卒業生? | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

デンマーク放送DRで、とても興味深いドキュメンタリーを見つけたので、少し書きます。

 

それは、『Skøn,skæv og 98』、「粋で、酔ってる98歳」というような意味のタイトルで、波乱万丈な人生を生き、今もご健在の98歳の女性(トーヴさん)の日常生活を描くドキュメンタリーでした。(タイトルの訳、編集しました。2019年1月10日)

 

トーヴさんは98歳。もう長年、毎晩、大麻を吸っている。 彼女曰く、「ジョイントを吸うと神経がリラックスして心が旅に出ることができる」そうだ。 お父さんは消防設備士、お母さんは専業主婦、不自由のない子ども時代だったけれど、幸せではなかった彼女。女の子が嫌いで男の子とばかり遊んでいた。成長して、結婚して、子どもが生まれるが、子育てには無関心だった。第二次世界大戦中、ドイツ軍占領下のデンマーク、家族には内緒でレジスタンス運動に参加、間一髪で生き延びる体験をする。戦後は、離婚して、映画会社で働く、30代の時は教師をしたりして気ままに楽しく生きるが、レジスタンス運動に参加した人対象の生涯年金を受け取り退職。1970年代には既に50歳を超えていたにもかかわらず、若者に混じってヒッピー生活を楽しむ。合計3回の結婚と離婚。 レバノンの空港の税関で、大麻を所有していることが見つかり、ベイルートの女性刑務所で一年半暮らす……。

 

と、もうとにかく破茶滅茶な人生を送ってきたトーヴさん。

 

でもなぜ彼女が、このブログのタイトルの「『私が日本に住む理由』の卒業生」なのか?と言いますと......

 

彼女は、なんと30年間日本に住んでいたそうです。(いつ頃の話しかは語られていません)

もっとも毎年夏にはデンマークに帰ってきたそうですが……。

はじめは息子さんが住んでいるので日本を訪問したのですが、日本人の親切さ、人と人との距離感が、とても気に入って住み着いてしまったそうです。

 

日本が大好きで、彼女のアパートは日本のもので溢れています。

今でも日本に住んでいる74歳の息子さんにスカイプするシーンもありました。息子さんはお留守でしたが......(98歳でiPad使っているのが凄いです)

 

ドキュメンタリーはアパートの庭の桜の木の下で、彼女が日光浴する姿の映像で終わっています。

 

「あ~日本(ヤーパン)、私を飛ばして連れ戻してちょうだい」って言う彼女の言葉、「non, je ne regrette rien」とエディット・ピアフを歌う彼女が何だかとても印象的です。

 

日本にいる人は見れるかもしれないので、リンクを下に貼り付けます。ホームヘルパーさんたちと彼女のやり取り、ルーマニア人の若い女性にデンマーク語の発音を教える彼女の様子、などデンマークのお年寄りの日常生活が分かって興味深いかもしれません。

 

58分と長いので言葉がわからないとつまらないかもしれないので、適当に飛ばして、もしよかったら見てください。デンマーク語が分かる人には、全部是非見てほしいです。過去100年間の歴史的背景、その時代に生きて来た一人のデンマーク人女性の人生がとても良く描かれたドキュメンタリー番組です。

語り手はドーヴさん自身で、日本のことが話題になるのは49分くらいからです。

 

https://www.dr.dk/tv/se/tove-wennick-reportage-2018/tove-wennick-reportage-2018-2/skoen-skaev-og-98