『白鳥の湖』ジェネラル | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

今日は『白鳥の湖』ジェネラルの日、ジェネラルは初日の前日の正午と決まっています。バレエ学校の生徒が出演する演目に限り、親達もチケットを入手する事が許されています。

私は公開リハーサルを観たばかりですが、もちろん行きます。

ジェネラルは全て本番と同じように行なわれます。技術的なハプニングがない限り、基本的にはストップが入りません。だからこれを観れば本番は観なくてもいいくらいです。

バレエ学校に通う子の親は、自分の子が踊る姿を観るために、たとえ出演時間が16秒(*)でも、平日の12時に仕事を抜け出してジェネラルに行きます。が、子役のキャストは2〜3グループに分かれていて、自分の子が出演する演目でも、ジェネラルで踊るとは限りません。第2、第3グループにキャストされると(大抵第1グループが踊るので)親は高いチケットを買って本番に行く事になります。(親の中には、私はバレエが嫌いだから子供が出ようが出まいが観にいかないという人もいます。そう言うバレエママも存在するところがとてもデンマークらしいです。)

うちの娘は第2グループにキャスティングされた時が多く、私は5年間、ジェネラルを観て、娘の出演日のチケットも買って、王立劇場にひたすら貢いできました。でもお陰さまで同じ演目を別のダンサーで少なくとも2度観る事が多くなり、演じるダンサーによってバレエがいかに変わるのか!とかも愉しむ事を覚えました。同じダンサーたちを色々な作品で長い期間見続けると、成長の様子が観察できて愛着が生まれる事も知りました。

『白鳥の湖』子役ダンサーは第一幕の始めの10分間位に出てきて踊ったり走ったりします。去年は男の子女の子8人づつ出演したのに、今年は4人づつのキャスティングだったので、振付が変わるのかなぁ?と、以前書いた通り、私は直ぐに思いました。

ところが一週間後新しいキャストが発表されて人数が8人ずつに戻っていました。最初に出たキャストはインストラクターが人数を間違えて書いてしまったのでしょう。

とにかく息子の配役には変化がなかったので私は余計な事を深く考えないで済みました。(補欠から配役されたりしたら、なんで初めは補欠だったんだ?とか考えませんか?ん〜でもそんな事考えてしまう暇な母親は私だけなのかなぁ?こちらの親は自分の仕事で本当に忙しいですからね〜!)

デンマーク王立劇場の芸術監督ニコライ ・ヒュップは、神だ妖精だと超自然的存在にストーリーの流れを委ねるのがお好きではありません。主人公の心理の動きに重点を置いて社会現実的に納得出来るようなストーリーで物語を描きます。それが国民性に合っているのか、彼の改訂版はどれもデンマークでは評判がいいです。

『白鳥の湖』は王の葬式、ジークフリート王子の即位で始まり、王子とオディールの結婚式で終わります。王と言う宿命を背負う王子の心の葛藤と選択を描いている、と思います。ロッドバルトが全てを裏で操る国の要人みたいな感じで初めから舞台にいるのも特徴です。

去年収録された物がYouTubeに出ているので下に貼っておきます。もし良かったらちょこっと見てみて下さい。長いですが……。

今回の文章もなんか本当に長かったですね〜!お疲れ様でした!読んで下さって有難うございます。

(*)クリストファー ウィールドン版『眠りの森の美女』娘は青の精のお供でダイアモンドを運ぶエキストラ的な役でしたが、舞台に出ていたのは約16秒でした。幸いその時は第1グループでジェネラルだけを観ました。それでも印象に残っている素晴らしい作品です。