午後は曇って、涼しい風も吹いてきましたので
おじいさんは
どうだ、畑の草でも取りに行くか
こんな天気じゃ、日にも焼けんだろう
とおばあさんを誘いました。
おじいさんがおばあさんをどこかに誘うのは、畑だけです。
おばあさんは、ためらうことなく
行くよ
と答え、ズボンをはきかえ、キャップをかぶり、ガーデニングシューズをはき
立ちカンナを持って、軽トラック＝通称ケットラの助手席に乗り込みました。
畑は歩いて５分ほどの所にありますが、鍬や耕運機を運ぶので
ケットラが必要なのです。
畑に着くと、おじいさんはおばあさんに
ジャガイモの畝の間の草を取るように言いました。
もう随分長いこと雨らしい雨が降っていないのに
スプリンクラーが当たるところは、草もよく伸びています。
おばあさんは膝が痛いので、立ったまま草を取れる
立ちカンナで草をかきとります。
ジャガイモの横には、大きく育ったタマネギが
土から飛び出しています。
ジャガイモとタマネギは毎日少しずつ採って食べていますが
来週は全部収穫するそうです。
おじいさんに言われた所の草を取り終わったので
ここも取ろうか
と別の畝に立ちカンナを入れようとしたとき
おじいさんが慌てて言いました。
そこは連休に植えた落花生の芽ジャンか
よく見てみろ
あら、ほんとだ・・・・
ちょっと見には、カラスのえんどうみたいです。
よく見て仕事しろ
（自分だって、私の大事な花の芽を草と間違えて抜いちゃうじゃない）
とおばあさんはちょっとムッとしましたが、黙っていました。
今日はおばあさんはおじいさんに一言も口答えしていません。
おじいさんは朝から田んぼで苗の補植をしたり
ずっと働き通しなので、悪いなと思っているからです。
おじいさんが畑の周りを耕運機でかき回している間
おばあさんは作物の育ち具合を見て歩きました。
里芋の芽が出ています。
とうもろこしも伸びています。
すいかやかぼちゃの苗は少し大きくなりました。
人参のポヨポヨした頼りない細い葉っぱ。
ねぎ、にんにく、みずな、インゲン豆。
立ちカンナを杖代わりにして見て歩くおばあさんに
カメラを持ってこないのか
と、おじいさんはちょっとガッカリした様子。
おじいさんは、自分が育てた野菜をブログに載せてもらうことを
楽しみにしているみたいです。
おばあさんには、写真なしで作物の様子を伝えることは至難の業。
今更ながら、作家の表現力に感服するおばあさんです。
おじいさんの仕事も終わり、１時間ちょっとで今日の作業は終了です。
帰りがてら、昨日植えた田んぼの苗と水を見に行きました。
その写真はこちら。
田んぼは
との２箇所。
今年は、おばあさんが仕事があったので
おじいさんが植えることから苗箱や田植え機の洗浄・・・etc
と全て一人でやりました。
おじいさんとおばあさん、そして二人の娘家族８人が
１年間食べるお米は充分収穫できます。
でも、最近中学生の男孫の胃袋が底なしになってきたので
段々間に合わなくなるやも知れません。
水口にはゴミがたまっていません。
お風呂で汗を流した後、おばあさんは
夕食に、かっぱ寿司の持ち帰りを買ってきました。
日本酒を置いていないすし屋はダメだ
と言う理由でおじいさんは回るおすし屋さんには行きません。
おじいさんとおばあさんは、「笑点」を見ながら
仲良くお寿司を分け合って食べましたとさ。
おしまい・・・・・・・・・。