肥沃な土壌と痩せた土壌 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

「野菜作りは土作りから」と言われるほど土作りは野菜作りにおいて重要視されている。

高校の地理の授業でも「肥沃な三角州(デルタ)地帯」という言葉を何度も聞かされた。

 

農業の始まり以来、人は今も変わらず土壌に肥沃さを求めて来た。

土作りは畑の基本とされ、含有成分、PHにこだわり、堆肥・腐葉土や石灰や様々な薬剤を土に混入させ土壌を作り続けた。

 

「野菜作りに適した土は、一般的に水はけが良く保水性があり、有機物を含んでいます。野菜は土中に根を張りますので、小石などの異物が少なく、土がフカフカと柔らかいことも重要です。異物の多い土の中では、野菜は十分に育つことができず、いびつな形になったり貧弱な野菜になったりします」

 

 

自然界から学ぶのは知識の基本。

食料を生産する農業が集落を作り、交流に適した河口から文明は始まった。

作物の生長が速い河口の三角州が理想的な農地とされ、「肥沃」という言葉が定着した。

 

自然界の仕組み、植物の仕組みよりも結果を重視、それが土壌の絶対条件となり現在まで引き継がれている。

 

大雨で流されて来た土砂や有機物が混じり合って堆積するのが河口だが、それが一般的な表土だろうか。

逆に雨で削られ、地殻変動で山が崩れた跡地などは一般的ではなく、しばらくは草も生えない不毛の表土。

 

削られた表土と、それが流されて堆積した表土。

痩せた土壌と肥えた土壌、どちらも地上の森の大半を占める正常な表土とは程遠い

 

有機肥料や堆肥に始まり化学肥料へと移り変わったが、土中に異物を投入して肥沃な土壌を作り続けていることに変わりない。

つまり、自然界では特殊、異常な土壌作りにまったく疑問を持っていない。

 

混入させる異物と、必要な機械、肥料と耕運機は農業の必需品になり、それに異議を唱える農学者もいない。

何千年も疑う余地もなく、人は痩せた土壌を肥沃な土壌に変えようとして来た。

 

人知は生命以外の自然界の仕組みをことごとく解き明かして来た。 雨、風、重力、宇宙・・ 物質が落ちる理由は引力。

しかし、生物に関して同じ見方をしているだろうか。

 

植物が日々生長する仕組みは? 重力に逆らって上に伸びる理由は? その動力は? 葉茎根を伸ばして花を咲かせ、実を付ける指揮は誰が何処からどのように? 環境に応じて自在に形を進化させる仕組みは? 根が密生する理由は? 

重要で解明されていないことのほうが圧倒的に多い。

 

生物の物理的な仕組みにまったく目を向けず、「肥沃な土壌は植物がよく肥える」・・この結果だけ重視、数千年も進歩がないのは人知として情けない。 それが正常な生長と断言出来るのか。

野人に、今の農業は自然界の仕組みとは無縁の「土と野菜の製造業」と言われても仕方ないな。

 

その結果、どれほど人類に、人類だけでなく多くの生き物、地球環境に災いを招いたのか、その間違いに気づく人もいないから解決出来る人もいない。

 

文明は農業が築き、農業が崩壊させようとしている。

戦争の犠牲者よりも、食の間違いによる病不調・早過ぎる老化による犠牲者のほうが圧倒的に多いのだから。

 

農業の根幹が変わらなければ世界は破滅に向かう。

正常に戻すのは難しくもなく困難でもない。

それがやれるのは、政治家、専門家、学者、一人の指導者でもない。

ごく普通の人達、一般消費者、大勢が実践して結果を出せば世界は変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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