理論を公開してから13年、ショックと疑問は先日まで尾を引いていた。
「こんな簡単なものが何で理解困難?広まらん?」と。
そう思いながら講習会を続けたが、結果は野人得意の「物理方程式」通りには行かなかった。
野人にとっては理論と言うのも恥ずかしい当たり前のことなのだ。
これまでで一番確信をもってやったことが、これまでの人生で一番その通りにならなかった。
「こうやれば必ず理解出来るはず」が全く通用しなかった。
あの手この手で教え続けたが、手ごたえを感じない。
野人の当たり前は当たり前でなかったと言うことだろう。
皆さんカルチャーショックで知識盛沢山、結果の恩恵も受けて大満足しているのだが、野人の講習目的は原理を理解して使いこなしていただくこと。
通用しなかった理由は社員達が教えてくれて納得した。
「結果が出るのはわかるけど、理論はいまだ人に説明出来ない」
「何年も一緒にいて話を聞き続けても理解出来ないのに・・」
「思考回路・次元が全く違うから 誰もついて行けず使いこなせない」
「野人が電話で道を教えると誰も到着出来ない」
たしかにすべてその通りだな。 到着した人は一人もいない
理論とは人に教えられるものであり、教えようがない理論は不完全。
出した結論は・・
1、野人理論は宙に浮く球体理論、正門はなく何処が入り口か決まっていない。 常識には当然ある「学ぶ順番」がない。
2、問題を解く度に内容・目的によって入り口が変わり、連立方程式の組み立て方も変わる。
つまり、掴みどころがなく基点は定まらず常に無。相手、対象次第。
これでは使えるはずがないな。あとは自分で考えろと言うのだから。
野人が作った水流護身術そのもので野人しか使いこなせない。
入り口の決め方、理論同士を組み立てる接続法は無数にあり野人の頭の中には入っているが文字化するのは困難。
入っていると言うより、ケースに合わせて自動的に繋がるのだからあらためて意識したことがない。
この球体理論を半世紀使いこなし、結果は出たのだから理論としては間違っていない。 欠陥ではないが不完全。
球体の中には原理が無数にあり、正しい入り口から入り、正しい原理の道をたどって球体の外に出ればそこに答えがある。
そう言っているようなものだな。
「正しい」に定義はなく、ケースに応じてベストの選択をすれば出られるが、道を誤れば、使い方を間違えれば出られない。
理論は完璧でも「取扱説明書」が付いていないようなものだ。
これでは熱心に何度もやって来た皆さんに申し訳ない。
いくの言うように、「野人が電話で道を教えると誰も到着出来ない」
それと全く同じであり、これまで誰も信じなかった理由、講習会で目的を果たせなかった理由がやっとわかった。
十年以上経っても理論をまとめて書籍化出来なかった理由も。
球体を平面にして理論を順に並べて書くことが出来なかったからだ。
順に書いたものを学ぶのが常識であり、順がなければ理解困難。
こんな簡単なことに何故気づかなかったのか。
同じように「何故気づかなかった」と懺悔したことはこれまでも山ほどあった。 野人は皆が気付かないことには簡単に気付くが、皆が簡単に気付くことは気付かない。
むー母の口癖だったが、一般的に言うなら「デリカシー」に欠けるのだろう。
結果は出せても、野人思考、用語は社会に通用しない。
子供の頃から受け入れられなかったのは自業自得と言うことだな。
気にはしなかったが結果が「褒められない」ことも自業自得。
常に「たった一人の武士道」だったのも仕方ないだろう。
しかし、野人の半世紀の集大成とも言えるこの球体理論・・
これまでとの大きな違いは、時間はかかったが、最も多くの人に受け入れられたこと。
理解困難にも関わらず受け入れ、支持してくれたのだ。
これからはその気持ちを大切にしたい。
一人でも多くの人が救われればそれで良いと思うようになった。
必要なことは、理論・原理のお特訓よりも多くの人の力になることだ。
毎月の一般講習会もそのように変えた。 理論など道具に過ぎない。
抜粋して皆が使いこなせる実用的な理論を教える。
世界の物理学者の原人がやって来て、ソニーが加わり、多くの科学者も加わった。 原人がアフリカで実績を残し、専門高校も出来てアフリカ全土に急激に広がりつつある。
世界最高峰の科学専門誌ネイチャーに理論が掲載され、六本木ヒルズにもモデル農園が出来た。国営放送もやって来た。
半世紀の孤独に比べれば随分賑やかになった。
生涯孤独で過ごさずに済むのは皆さんのおかげ横丁だな。
老子のおじさんも言っている。
水は丸い器に入れれば丸くなり、四角い器に入れれば四角になる。
万物に恩恵を与えながら少しも自慢することなく、常に低い所へ位置する。その在り方は極めて柔軟で謙虚だ。
それでいて硬い岩でも打ち砕く力を秘めている。
一見、主体性がないように見えるがその実、常に低い所へ流れようと強固な主体性を秘め、何も為してないように見えながら万物に恩恵を与えている。
時には水蒸気となり氷となってその姿は臨機応変、自由自在。
人間もかくありたいものだ。
哲学を具現化・物理方程式にした野人理論そのものだな。
野人理論は水と同じ。
理論を理解して使いこなす極意とも言える。
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