連休明け、むー母の定期検診でまたお笑いの渦が起こった。
連休中の22日、むー母は呼吸困難になり救急病棟で
肺の中一杯に溜まった水を抜いた。
2日後のこの日は車椅子を押して診察室前へ、順番を待つ間お野人は1時間近く母の背を撫でていた。
「お前のおまじないは信じられない程よく効くねえ」
母は例によってお口も滑らかに回り続ける。
黙っている時間の方が少なく、周囲には大勢座っていたが、べらべら喋り続ける人などは1人もいない
待合場所はどちらかと言えばお通夜に近く・・
楽しそうに笑う人も まったくいない
あははは~~と笑いながら延々と喋り続ける90過ぎた車椅子のバアさんは 非常に目立つ
んだよ
脳ミソがシャキ~ンとしている証拠だ。
お野人は周囲に気を使いながら、時折軽く頭を下げていたが皆さんニコニコしている。
おそらく・・母の話は退屈しなかったのだろう。
夢の中で亡き父が青いスポーツカーに乗って走り去った話は2度目だが、うんと年下の母の友人が・・
「それって・・黒い車じゃなかったの
」・・と
念を入れて何度も聞くのよ・・と、いうところで周囲に苦笑が起こった。
次に、母はオシッコの量が極端に減ったと言い出した。
「おしっこの大半は肺に上っているんじゃないかと思うのよ」
「・・・ ・・」
「だってね 抜いた水、おしっこの色にそっくりなのよ 何処かで繋がっているんじゃないの
」
「うん・・あり得るな いや 間違いない」
周囲に笑いが起こった。
肺がシビンになりつつあるかもな・・
「母ちゃん・・診察室で先生にそう・・言え」
診察室では何時もお笑いなのだから・・ついでだ。
「おしっこが肺に行かなければこんなに溜まらないのにねえ・・」
「わかった母ちゃん おしっこが肺に行かないおまじないしてやるから・・ しばらくしゃべるなよ」
これ以上喋らしたらもう恥ずかしくて冷や汗ものだ。
母の背を例によってまじないの図を描きながら撫でていると母が言った。
「いつものおまじないのお題目 聞こえないわよ」
「・・・ ・・」
仕方なく小声で・・むにゅむにゅ むにゅ~~~
「耳が遠いから・・何言ってるのだか・・」
「・・・ ・・ 」
こうなりゃあ やけくそだ 仕方ない
「まんだらあ~かんだら~まんきんたん~~
おしっこ押しっこ シッシッシ~~
」
周囲は押し殺した 笑いの渦 だが・・
母は・・・笑わなかった
順番が来てほっとしたが、診察中も相変わらず母は若い先生をほめ倒して笑わせていた。笑わせようという気持ちは毛頭ないのだがそうなってしまう。
持って生まれたセンスかもな・・
静寂な空間 お騒がせして・・ごめんなさい。
清算は、デジタル版に番号が出れば自動精算機へ行くのだが30分待たされた。
結局・・70円だったが、母曰く・・
「時給にすると・・140円だねえ」
帰りの車の中で母にむー料理を食べさせた。
猪ジャーキーを刻んだのと、深夜に作った夏猪とナスの煮物だ。
「これほんとに美味しいねえ お前が作ったのかい?」と、母は猪ジャーキーを食べていた。
家に着いてから好物の刺身を作ってあげて2人で食事。
アジの刺身が食べたいと言うので、今度は新鮮なアジを食べさせてあげよう。
帰り際に母が言った。
「お前を支えてくれる人達を大切にしなさいね」
「ポカリ・・と殴っちゃだめよ」
「バカなことばかり言って笑わせちゃだめよ」
「・・・ わかった 母ちゃん」
母の肺に空いた穴はまだ塞がらないが、全力を尽くして必ず塞いでみせる。
あな・・をかし い な・・・
おしっこはおしっこらしく下に向かえばよいのだ。
大声出せなくなったむー母
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むー母の検査結果
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旅支度に多忙なむー母
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