数日前、むー母から電話があった。
挨拶回りや衣装類や道具の整理など、死に支度で多忙らしい。
短歌もシビンもコーラスも、サークルの仲間達に挨拶を済ませ、今日はフォークダンスの仲間達にカルピス持ってお別れのご挨拶に行くと言う。
「無精で何もしなかったから 部屋の整理がとにかく忙しいのよ」
「母ちゃん・・治してやると言っただろうが」
「もういいんだよ 十分生きたんだから」
「挨拶済ませて・・死なんかったらバツが悪いぞ」
「それもそうねえ~」
「復帰の挨拶も考えといたほうがいいな」
最初に肺の水を2,2リットル抜いてから、1カ月でさらに1リットル以上の水を2回抜いた。
その度に呼吸は楽になり、母は軽いステップを踏んでいるが・・・
水は何の為に溜まるのか・・
体液が水漏れのように肺に溜まるとは考え辛く、修復に必要だから肺が溜めているのではなかろうか。
火傷すると水膨れするのと同じで、修復までに水が必要だからだ。
だからいくら抜いても水の補充は続く。
生き物は海から生まれ、ほぼ水で出来ているのだから無理もない。
治癒力が正常に働けば火傷同様に「水膨れ」の間に治癒するだろうが、そもそも正常でないのだからガンが繁殖したのだ。
正常に戻す食べ物を摂り続ければ復元するだろう。
水は抜かない方がよいのだろうが、呼吸の苦しさから解放されるならそれも仕方ない。
毎日ガバガバ水飲めば補充はいくらでも出来る。
むー母は野人理論とはまったく無縁の世界で生きて来た。
スーパーの特価品が好きな母は、今はスーパーにも行けず黙って猪肉やむー茶やむー塩、それに庭に植えた協生ニラとシソのジュースを摂っている。
茶の味は薄いが猪肉は美味しくて大好きと喜んでいる。
医者に、「治せない、延命処置しか・・」と言われ、それも断ったむー母。
非常に明るく身辺整理に多忙な毎日・・
「私の事は気にせずやるべきことをやりなさい」
と・・のたまう。
むー母は、生涯現役、今も最強のお野人の守護者。
せめて80歳くらいまでは育ててもらわないとお野人は未熟だ。
母ちゃん・・苦しくとも もうちょいがんばれよ。
必ず治してやるからな。
むー母の検査結果