む~左衛門みかんが危機だ。
ばあちゃんが、つい肥料をやってしまったのだ。
毎年のように念を押していたのだが・・・
ばあちゃん曰く、通常量に比べてこれくらいはやったことにならないほど少量。
だから事前に報告もなかったのだが、野人の念押しで正直に告白した。
「食べて見てよ そう変わりないから~」
食べて見たのだが・・農薬は使っていないから皮はガサガサだが、味は普通のみかんに近い。
有機栽培も同じだが、市販野菜、果物の味は肥料の味、その種本来の味とはまったく異なる。
それら栽培種を本来の味とするなら、無肥料産物は「異物」「無味」「規格外」になる。
耕して肥料を混入した畑はなかなか抜けないが、耕さないみかん園は1年で雑味が抜ける。
樹木は肥料の大半を果肉と共に吐き出すからだ。
植物にとって人が与える肥料は、土中にはまったく不要な廃棄物に過ぎない。
今年のみかんの配給を断念した。
「ばあちゃん・・ちょっとも普通も、1割も9割も変わりないんだよ。
水に赤い絵の具を1滴たらそうが9滴だろうが赤く染まることに変わりないだろ?
異物が入れば多かろうが少なかろうが植物は別の目的に向かって走り出すんだよ。」
「私らにはさっぱりわからない世界だねえ・・」
「わからんでもいいから む~ミカンにエサはいらないんだ・・」
この5百キロのみかん・・もったいないが引き取れない。
懸命にとったこのみかん、何箱か買ってあげようとも思ったが使い道はないしこれからのこともある。
がっくり肩を落としたばあちゃんを慰めようとした瞬間・・閃いた
「放置したみかんまだ他の山にあるだろうが」
「そう言えば 隣のみかん畑も3年そのまま」
「それ これから とるんじゃあ・・?」
「大丈夫 老人ホームに入っちゃったから」
「・・・ 見に行くか? ばあちゃん」
「うん 車・・乗っけてって」
みかん山に車を横付け出来るが、近道を歩いて上る途中にも数年放置みかんが・・
収穫期はとっくに過ぎて、木で完熟した早生ミカン・・旨い
量は少ないが、ばあちゃんが交渉して収穫することになった。
ばあちゃんの隣のみかん山は草ぼうぼうで全く入れない。
品種は「青島」、まだ甘味は早生より少なく、実もしっかりして収穫は1月で十分だ。、
3年放置されたこのみかんも交渉して収穫することになったが、量は見えないから読めない。
双方の都合で年内は不可能、1月に収穫することになった。
入れる状況ではないので草刈りはむ~さん、収穫も手伝うことになった。
日時が決まれば「みかん狩り」の助っ人募集する。
みかんはすべてバアちゃんの収入にしてあげて、む~さんも助っ人もボランティア・・
少々のお礼は・・みかんの物納だな。
最初に収穫した完熟早生みかんは量もわずかで宅配は見合わせ・・ビレッジで使うことにした。
コミカンはこれから探す。
肥料を少し使った「無農薬のばあちゃんみかん」、む~左衛門みかんのような衝撃はないが、皮も剥きやすく市販ミカンよりは旨い。
希望があればその量だけ年明けに引き取ってお届けする、価格は同じだが。
少しでもばあちゃんは喜ぶだろう。
む~左衛門みかん 販売開始
http://ameblo.jp/muu8/entry-11732547326.html
ガンバレ ババロアみかん 後押し歓迎~