珍話列伝 真実一直線路3 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

このマラソンルールは乗りものを使わずチェックポイントを通過すれば良く、道を行かなければならないとか、木や杖を利用してはいけないとかの規制はない。

子供の頃から夜の山を、麓の灯り目指して野犬達と一直線に駆け下りていたから昼間など造作もない。

樹木に衝突、捻挫と言うリスクもあるが、そんなものは微々たる確率だ。

足は出来るだけ重力に逆らわずスピードを保ち、手をブレーキに使えば良い。

重力に逆らって歩行もブレーキも足だけで賄おうとするから下山は疲れるのだ。

つかまるものがあれば力を手で分散させたほうが楽で早い。

着地点を決めて飛ぶのではなく、飛びながら考えれば良い。

御先祖様の猿達だってそうしていたが、たまには猿も木から落ちる・・・

オランウータン・・いやターザンのように雄叫びを上げながら半分空を飛んだ。


これで一気に300人以上ごぼう抜きにした。

隣市の海岸通りに出ると真っ向勝負に入った。

ひたすらゼ~ゼ~言いながら真面目に走り百人程度はごぼう抜き。

体力を温存していたのだから当然だろう。

30分ほど走ると最後の山が待っていた。

最初の山ほど高くはないが、車道の長い登り坂では走る気も起きない。

順位は何とか上げたがやっと半ば、通信簿「3」の数字が頭をよぎる。

そこで・・・再び「真実一直線路」作戦だ。

先程とは異なり語尾に「路」が付いている。

そう~・・線路を走ることにしたのだ。

しかも非常に長いトンネルで、1キロか2キロか覚えていないがこれで一気に数百人は抜ける。

ルールには線路もトンネルも禁止事項に入ってはいない。

常識では大目玉を食うが・・

トンネルを抜ければ故郷でゴールは近い。

日豊本線は今でも単線で、しかも当時は電車ではなく蒸気機関車だった。

汽車が来ないことを願って迷うことなくトンネルにムーまっしぐら~!


続く・・