土は条件によっては硬くも柔らかくもなるが、生命を育む土壌は人が手を加えなくても周年柔らかい。
土を庭に盛り上げておけば雨の度に硬く締まって行く。
それが人の庭であり畑であり、雨降って地固まると言う言葉まで生まれた。
隙間に雨水が入り、水が地底に抜ける度に詰まって硬くなるのは当たり前。
しかし野山はどうだろうか。
歩けばわかることだが、草の生えた場所は常にふわふわとしているが、それは青草や枯れ草のせいばかりではない。
土壌そのものがそのような構造をしているからだ。
土中にアリの巣があると考えても良い。
3年以上耕したことのないムー農園のうねも踏めばボコリとへこんでしまう。
硬くならないから永久に耕す必要など何処にもないのだ。
特に何かを与えているわけでもなく、微生物を入れたわけでもない。
草の根がそのような構造を築くからに他ならない。
猛暑が続いた期間は硬く締まっていたのだが、この雨で再び手首まですっぽり入るようになった。
草の根の活性が最も強いこの時期でこれだから、根が枯れる冬場はもっと柔らかくなる。
もっとも土壌が柔らかかろうが硬かろうが植物には関係なくおかまいなしだ。
硬いからと言って草が生えないわけでもない、野菜も同じなのだ。
うねだろうが踏み固められた通路だろうが野菜も草も同じように育つのが当たり前で、うねのほうがやや育ちやすく管理がしやすいだけだ。
放って置けば出来るこの仕組みには感謝、土を作る理由など何処にも見当たらないし草を根こそぎ引き抜く理由も見当たらない。
雨降って地固まる土と固まらない土