ムー農園から数百mの場所に新農園が誕生する。
同じ1反だが、田土のムー農園と違って砂地だ。
元は畑だが荒れ地になっていて養分は何も入っていない。
50m×20mの表土は乾燥、草もまばらで殺伐としていたが、実験生産農園としてはこれ以上ふさわしい土質はない。
ほぼ出来上がった田土のムー農園、瓦礫地の大磯農園、有機肥料が既にたっぷり入っていた成田農園、熱帯のペナン農園、亜熱帯サンゴ礁の石垣農園など多彩な条件の実験農園が揃うことになる。
常に水を必要とし、宮川用水が引かれているが、徐々に必要としなくなるだろう。
この第二農園は表土を破壊する「根菜類」を主体に乾燥に強い種が中心になる。
間引き野菜中心の現ムー農園に対して、長期にわたり大きく表土を占有する大型野菜の連作になる。
現農園より生産効率は下がるが、協生農法に変わりなく重要な意味を持っている。
砂漠化した世界各地の荒廃農地の再生だけでなく、ワインを生産するヨーロッパの葡萄園と菜園の協生実験も出来るだろう。
夏は忙しいなどと言ってはいられないのだ。
生産高実験だけでなく、雇用実験も兼ねている。
1反の畑で最低でも一人が雇用出来れば世界中でどれだけの人が救われるだろうか。
現農法では限りなく不可能に近いが、その常識の巨大な壁を壊して見せよう。
文明は1%の可能性をこじ開けることから生まれるものだが、これに関しては100%の可能性を確信してやっている。
困難など何もなく、悲壮感もない。
要するに楽しんで自然界と向き合えば必ず事は成せる。
これまで自然界から学んだ総決算、毒をもって毒を制す、常識では考えられない植物もまた砂漠化解消には最適の「有用植物」と成り得る。
野人の多忙な日々に隙間が出来たこの日の夕方、理論はまったくわからないが、野人の意気に感じたこの畑の地主さん自らトラクターで、1時間もかからず大きなうねを造成してくれた。
前回のようにクワ一本でやれば1週間以上はかかるだろう。
これから夏のハイシーズン、ましてこの猛暑では不可能に近い。
本当にありがとう、心から感謝します。
三時の方向に出ても 虹・・・