噛まずに呑み込む健胃法 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

野人は子供の頃から俗に言う「早飯」で、調理には時間を費やすが食事は5分平均だ。

良く噛まずに片端から飲み込んでしまう。

おかげで今でも胃は頑丈で胃潰瘍、胃もたれとも縁がない。

食のこだわりは淡白ではなくむしろ情熱を傾けている。

味わうべき食材は味覚を集中、時間をかけて時には頭も使うが、食糧として食べるものは何も考えずあっと言う間に飲み込んでしまう。

まあその辺の犬や猫とあまり変わらないと思ってもらえばよい。

蛇に至っては無粋にも卵を殻ごと丸飲み消化しているではないか。

胃の鍛え方がどうのと言うより、このほうが動物の理には適っている。

母からはうるさいくらいよく噛んで食うように指導、警告を受けたが言いつけを守ったことはない。

牛乳でさえ、噛むようにして飲みなさいと言うのだが口だけ動かしていた。

食い終わってゴロリと横になると、「牛になるよ」と、また小言を言われる。

犬だって猫だって食った後は横になり消化に集中している。

犬ほど極端ではないが、草食の牛ほどは噛まず丁度良いくらいだ。

噛む理由は「消化に良い」からと言うのだが、言葉を返せば「すぐ腹が減る」と言うことでもあり、「胃を甘やかす」ことにもなる。

だからちょっとしたことで胃がもたれたりするのだ。

野生のものは洗わずに何でも食う仕事柄、食あたりや胃もたれは多少あったが、歯磨き粉を使わなくなってからほとんどそれもなくなった。

唾液の消化酵素と修復酵素が正常なら胃には何の問題もない。

犬や熊や猪はバイ菌などものともせず地面のエサを食いまくる。

赤ちゃんだってヨダレいっぱい垂らしながら何でも拾って口に運びあまり噛まない。

動物としての本質が変わることはなく、好きなように食べれば良い。

ゆっくり味わいながらと言う人は感性が、ちびちびでは食った気がしないと言う人は本能が発達、どちらも人間なのだ。