ハナイカダの果実 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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昨日のイワタバコの記事で、イワタバコと並ぶ珍妙な植物としてハナイカダの名を挙げた。

花期が終わり、実は黒熟する一歩手前だ。

何とも面白い恰好で葉の上に実が付いているのだが、よく転げ落ちないものだ。

普通は一個なのだが、中には2個3個付いているものもある。

大豆大の実は甘くて食べられるがそれほど旨いというものでもない。

木には雌雄があり、雄木にも花は咲くが実を付けないので、園芸種のハナイカダは雌雄一対で販売されている。

若葉は天ぷらやおひたしの他、昔は粥の増量に用いられていた。

つまり、クセもなく縮まない葉の特性から、飢饉対策として栽培されていたのだ。

同じように用いられた歴史を持つ植物は、布令により植栽を促した「リョウブ」、戦国時代生け垣として庭に植えられた「ウコギ」などがあるが、どれも「リョウブ飯」「ウコギ飯」など、ご飯の増量、菜として重宝された。

寺社にシイの木か多いのも、実を飢饉対策と考えていたからだ。

植えるならシバグリやクルミのほうが腹が膨らんで良いと思ったのだが問題がある。

昔はわらじだったから栗のイガを踏みつけたら痛い。

クルミを踏んでスッテンコロリン~・・コケたらもっと痛い。

丁度真上から落ちて来て参拝者の頭に当たったら・・どちらも痛い。

ちょんまげの・・毛のないところに当たったら・・想像してみなさい。

イガが刺さるか・・たんこぶが目立つだろうが。

腹が膨らむ前に頭が膨らんでしまう。

南方の椰子の実に至ってはこの程度では済まされない。

ハナイカダの果実が椰子の実まで膨らんだところで話は終わりにする。