植物族は動物族に住まいと糧を与え、彼らから動物性有機物を得ると共に、交配や種の運搬を担ってもらった。
やがて果実や花や葉の形はそれに合わせて進化していった。
植物は微生物からだけでなく、虫や鳥を含む彼らの排泄物からも硫黄分などを含む動物性たんぱく質を得ている。
それらは一箇所に集中することは無く、植物の根が完全に吸収することで土壌のバランスは保たれている。
大きな動物の死骸などは土壌浄化の為に一気に植物細胞は肥大して使命を果たす。
人間の畑のように一面まんべんなく動物性有機物が大量に溢れることなど自然界には稀だ。
そこで育つ植物はすべて過剰成分を吸い上げて地上に分散しようとする使命が働く。
つまり植物の土壌浄化の産物、土中の廃棄物と考えるほうが道理には合っている。
植物の先生も野人理論には納得したが、改めてそのように考えたことはなかったようだ。
人は川の浄化の為にすでにアシやパピルスを用いているのだ。
ゴルフ場の池や排水口はホテイアオイなどに有害物質を吸わせている。
植物の細胞膜はその為に膨らみ、相手を選ばず水銀などの有毒物質をも残らず吸い上げる。
それらを処分しようとすれば人が刈り取って処理するしかない。
植物は土中の異物をすべて吸い上げ、常に何もない状況を保っている。
家畜の糞にしろ、生ごみにしろ、含まれる防腐剤や添加物などの化学物質は「自然循環」の名の元にすべて人の体に戻って来ると考えれば良い。
そのようなものが一切含まれない有機肥料を探すことのほうがはるかに難しい。
自然界のもの、草や微生物や虫の朽ちた成分も土中には異物であることに変わりない。
それが大地の仕組みだ。
続く・・