サメに食われた手編みのセーター1 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

サメにセーターを食われたことのある人はいるかな・・やはりいないだろうな。

野人はある。食われたのはセーターだけで体は無事だった。

話せば非常に長くなるから手短に話そう。

あれは大学4年の時だった。正確に言うなら5年目だ。

2年の頃はカリブ海へ財宝引き揚げに行く準備に追われて学校どころではなかった。

時間に合わせて授業へ行くのではなく、起きたら行く・・という習性も災いした。

だからやりたくはなかったが2年生を2回もやるはめになってしまった。

清水の野人のアパートに既に卒業した友人が転がり込んで来て数カ月居候した。たまにアルバイトはしていたがあまり働く気もなく、野人がギャンブルで稼いだお金で養っていた。こう見えても野人の物理学はパチンコにおいても無敵を誇っていた。あんなモンは入るべくして玉が穴に入るのだから簡単だ。負けることのほうがおかしい。

友人達の仕送りの倍くらいは卒業まで毎月コンスタントに稼いでいた。

あまり好きではないがアルバイトのようなものだ。

アルバイトは・・3回クビになった時点であきらめた。会社員も無理だろう。

だから親に授業料は払ってもらったが仕送りは必要なかった。そして自分で家賃も払い、毎月のように寿司屋通いもしていたのだ。

その居候とは「昼下がりのジョーク」に何度か登場したが、1年生の頃からの野人の宿敵「越中フンドシ男」だった。ちなみに野人は卒業まで六尺フンドシを愛用していた。

何故、そのフンドシ男と手編みのセーターとサメが関係あるのか、まあ野人の話を聞きなさい・・・

5編まで続く

     

ヘミング・六尺・ムー