「塩分とり過ぎ」の矛盾 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

2月初旬だったか、次のような記事が出ていた。


<塩分取りすぎ>がんなど万病のもと 厚労省が8万人調査

 塩漬け食品の取りすぎや、食事全体で塩分の多い生活習慣を続けると、各種のがんや循環器疾患(心筋梗塞(こうそく)、脳卒中など)を発症しやすいことが4日、厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。がんと循環器疾患は国民の死因の1~3位、全体の6割近くを占める。

胃がんなど一部の疾患では知られていたが、塩分の取りすぎが多くの生活習慣病に影響するとのデータが示されたのは初めて。


世の中減塩ブームだが、野人はいつもバカバカしいと思いながら聞いている。

いかにも塩分が悪いと言う考え方だが、人間が悪いと考える人はいないのだろうか。

もしくは肝心のその塩分そのものに問題があると。

塩分に問題があるのならそんな塩分を作り出した人間に問題があると言うことになる。

上の記事はあくまで今の塩分の内容には触れてないから何も問題がないと言うのが前提だ。

思考をニュートラルにして考え直すべきではなかろうか。

これでは野菜と同じで、農薬や化学肥料ばかり悪者にして、さらに栄養分ばかり気にして植物としての本質に無関心なことと同じだ。

だから数十年で野菜の養分が激減した原因すら掴めないのだろう。

どちらも塩分とは何か、植物とは何かを理解しなければ答えは出ないが、そのような話題は出る気配すらなく、塩分は塩分、野菜は野菜で簡単に言葉で済ませているようだ。

野人の考え方がおかしいのかと言えば、そんなことはなく、ごく当たり前のことで、そうでなければ正確な判断は出来ないはずなのだ。

生命は海から生まれ育った。

魚介類もクジラも海鳥もまた大量に海水を摂り込み何の問題もないのは塩分の排出機能が完全だからだ。

陸の生き物は海水を飲まないが、微量の塩分を必要とする。

それは元々海から生まれたからに他ならず、海の成分なくして生きて行けないからだ。

それは塩分と言うよりバランスのとれた海のミネラル成分であり、塩化ナトリウムだけを取り出すなど馬鹿げた話なのだ。

野菜と同じで人が関与して、作りやすく美味しい塩を作ると言うのも問題があるだろう。

見渡せば加工食品ばかりで何を食べようが構わないが、生命の本質を保つ塩と植物だけは本来のものを摂るべきではないだろうか。

すべてに手を加えれば本来のものを摂る機会は失われてしまい欠乏症になるはずだ。

つまり塩分摂り過ぎではなく、排出機能が狂ったのは完全なバランスの海水塩欠乏症とも言えるだろう。

迷走する健康問題はそこに起因しているとしか答えは出て来ない。

不完全な塩は完全な塩をもって制すれば良い。

まあ熊のウンコと同じようなものだ。