野菜の生命力は完全な土壌から生まれる 7 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

生活排水や工業排水や農薬だけでなく、肥料も地下水や川や海を確実に汚染している。

生き物は海から生まれ、酸素と水を地上に供給、有害紫外線も遮断して生物が住めるようにしたのも海だ。

その海を汚染させる行為に正当性も自然循環の合理性も見当たらない。

植物は大地から、動物は植物から生命力を得て、そしてまた大地に戻り循環している。

大地とは海そのものであり、海は地球そのものだ。

野菜と言う植物を大切にするなら、人間から見た自然循環ではなく植物の立場から見て考えるべきではないだろうか。

植物に詳しくその本質を知る人は農業界にはほとんどいない。

近代農法はじめ、有機農法、自然農法、農学者、自治体関係者など多くの人に出会ったが、それを知る人に一度も出会ったことがないのだ。

野菜は作り育てるものと言う考えからスタートしているから必要ないのだろうが、植物は工業製品ではない。

既存の自然農法も自然と共に生きると言う理念は理解出来るが、確固たる理論は確立されず人の概念が先行しているようだ。

その生産性の低さから、家庭菜園はともかく農業としての普及は難しいだろう。

大地を知るには海を、野菜を知るには植物を、循環の仕組みを知るには自然科学を学ぶべきだろう。

海洋学までは行かなくとも、せめて植物の本質と循環の仕組みくらいは学ぶ必要があるのではないだろうか。そこから人は何をすべきか考えれば良い。

人間だけでなく多くの生き物も共に地球に生きているのだ。



野菜の生命力は完全な土壌から生まれる 完