キャベツが青虫を養う理由 1 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

食われて何の問題もなし 青虫は目立たない

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キャベツを始めとするアブラナ科の植物には蝶が不可欠で、長い年月を経た共生の歴史がある。これまでに何度か述べて来たが、今回は青虫に視点を集中してみよう。

アブラナ科の植物は菜花を咲かせる。キャベツも白菜もブロッコリーも大根もチンゲン菜もコマツナもそうだ。菜の花畑に蝶と言うように、蝶を始めとする虫達が花粉を運ぶ。

アブラナ科に限らず多くの植物が虫を必要としているのだ。だから歓迎はしても困ることはない。

その中でも青虫はキャベツとブロッコリーが特にお気に入りだ。キャベツ達はせっせと彼らを養う為に頑張る。花を咲かせるのに必要以上に葉の面積が広いのはその為なのだ。

大地のバランスがとれてさえいれば虫が大切な心臓部を破壊することは無く、植物もまたその部分は虫が好んで食べるようには作っていない。

キャベツや白菜が葉を巻くのは霜などから大切な花茎を守る為で、何重にも巻くのは青虫が食い破って穴を開けないようにする為なのだ。そうしてあらゆるものから身を守ろうとしている。ブロッコリーは巻かずにひたすら葉面積を広げる道を選んだ。それが植物の個性だ。

青虫は「搾取する」代表のように思われているがそうではない。キャベツにとっても蝶になって戻って来させることだけが目的ではない。

もう一つの目的は・・




2に続く