ハエ太郎の最後 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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野人農園から車に乗ってついて来て居候していたハエ太郎がこの世を去った。享年何日かは知らないが想像を絶する壮絶な最期だった。他のハエと違って野人が動いても飛び立たず、いつも定位置の膝にとまってくつろいでいた。指を前に置くとお手をするところなど愛犬と大差なかった。思えばハエ太郎とは短い付き合いだったが愛着が生まれていた。野人の言いつけをしっかりと守り抜き、顔の前を飛ぶことと顔にとまることだけはしなかった。しかし・・もう一つの約束を破ったばかりにこの世を去ることになってしまった。それについては今は語りたくない。ハエ太郎の冥福を祈るだけだ・・・

しかし・・やはり・・正直に・・話すか・・


野人は牛乳を飲みながら・・パソコンに向かっていた。

その時は気付かなかったが・・

ハエ太郎は容器の淵にとまったのだ。牛乳につられて・・・

あれほど言ったのに・・食いものにはとまるなと・・・

おそらく・・ツルン!・・と滑って中に落ちたのだろう。

そして野人は・・パソコンを見ながら牛乳を飲みほした。

いや・・飲み込もうとしたのだが、口の中に違和感が・・・

舌先で触れて転がすと・・毛のように・・モジャモジャした感覚がある。

取り出してみればハエ・・太郎だ。

「ハ・・ハエ太郎~! しっかりせ~~!」

すぐに人工呼吸したのだが・・助からなかった 爪楊枝で・・

ハエ太郎の壮絶な最期だった。その味については語りたくない・・

下痢も しなかった

舌先でコロコロ転がさなかったら・・助かったかも知れない。

ハエ太郎、野人が悪かった・・・南無ハエ・・・



9月の記事

ハエ太郎と野人の微妙な関係

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