人は生きるために食べる | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

生き物は生きるために食べる。生きるのに必要なことは空気、水、食べ物の順だ。生きて行く上で口は肌や髪よりもはるかに重要な器官だ。毎日のように体内細胞、新陳代謝を維持する為の食べ物だけでなく、精神を正常に維持するエネルギーを食べ物からいただいている。そこを肌と同じように洗剤、研磨剤で洗えばどうなるのか。粘膜は自然界の食べ物以外のものは受け入れない。加工食品、加熱食品はまだ良いとしても、それ以外の化学物質などには対応出来るものではない。だから動物は食べ物以外のものは必ず吐き出す。

生きる上で重要な舌の味覚神経まで狂わせるのは誰もが知っているはず。一瞬でも味を見失うのは「生命の危機」と理解したほうが良い。毒や腐敗の判別も危ういと言うことなのだ。どうも「食べ物の味が変わっても当然」と思い込んでいるようだ。

歯磨き粉は唾液の分泌も狂わせ、消化酵素も不足、虫歯や歯茎だけでなく、胃腸、肛門までの修復酵素も不足させる。必要な口内細菌も一掃し、ウイルスにやられやすい喉にしてしまい、歯垢が分解されず腐敗して口臭となる。

今は歯垢の残量をチェックする試薬が売られているようだが、いくら磨こうが歯の隙間や表面に付着した有機物を一掃することは出来ない。口内の機能、酵素や細菌などが正常であればその日のうちに一掃してしまう。デンプンの残りは唾液の酵素が溶かし胃に送られ、脂肪やタンパク質の残りも微生物が分解、空気と水にしてしまう。つまり、歯垢や歯石などがいつまでも口内に残って「害をなす道理」など何処にもない。一時的に歯垢があっても分解中で腐敗ではないからざらつきはしても絶対に臭わない。だからいくらニンニクを食べようが臭う事などはない。やってみればわかることだ。高温多湿の口内で細菌がいなければ食べかすは数時間で腐敗する。そしてその腐敗汁を飲み込むことになる。よく下痢しないものだと感心しているが、原因不明の下痢は誰もが経験しているはず。それがいやなら1時間おきに磨くしかない。

口内の掃除は人間がやることではない。毎日マメに歯磨きしていて歯垢が臭いのは腐敗しているからだとは思いつかないのだろうか。でなければ他に何の臭いなのだろうか。腐敗するから口臭になる。何故自然界の動物が歯磨きもせずに虫歯もなく、口臭も人間ほどではないのか考えてみると良いだろう。野人は息の臭い猫も虫歯の猫も知らない。猫は指が短いから歯ブラシすら持てないのだ。

歯を磨こうとするほうが余程不潔で、森羅万象の道理に反している。

石鹸、シャンプー、歯磨きしない、汚れないから着替えも洗濯も滅多にしない、と言うと、不潔人間の権化のように思われてきたが、それにはもう慣れた。野人の肌は今もスベスベで体臭も口臭もない。足の指の間などは20年間洗うどころか触ったこともないが、何日靴下を穿こうが臭う事などない。

人が生きて行く為の食べ物で最も重要なものは、以前に何度も述べたが紛れもなく「植物」だ。そうでないと言い切れる人はいない。養殖された野菜が本来の植物かどうか自然界と比較して、各自でジャッジして見れば良い。植物を散々研究した野人は、植物の形はしていても「食の本質」からはかけ離れたものだと断言している。

百害あって一利なしの歯磨き粉をやめて正常な植物を食べていれば今の病気の大半は消滅するはずだ。