強風波浪注意報の中の釣り 南アからのお客様 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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昨日のチャーターフィッシングは南アフリカからの一行だった。昨年もこの時期に来日して鳥羽国際ホテルに宿泊、野人が釣りに案内した。

前日の予報ではたいして問題なかったのだが、当日になってから天候は急変した。強風波浪注意報が出て、強風とうねりで伊勢から鳥羽へ向かうのに時間を要した。フィッシングは午後二時から五時半までで、釣った魚を夕食に間に合わせる為に、和食の料理長自ら漁船を操船して四時頃に魚を受け取りに来る。昨年もそうだったが致せり尽くせりだ。しかし外国からのお客様にとっては最高のもてなしだろう。ここまでやれるホテルは他にない。もっともこの料理長は海が好きで、クルーザーヨットも所有、セールボードも得意だ。洋食の総料理長も野人の友人で、タイの運輸大臣に食事に招かれ、二人でバンコクを珍道中したこともある。野人の個人所有のボートを勝手に乗り回していたくらいの釣り好きだ。当時、鳥羽国際ホテルはヤマハの経営で、野人は大型クルーザーの船長をしていた。二人ともマリンビレッジにもたまに来るから呼吸が合っているのだ。

鳥羽湾内には強風で航海を中断した貨物船が3隻錨泊していた。当然釣り船などは出ているはずもない。しかし1箇所だけ風は強いが波の影響を受けずに釣りが出来るポイントがある。だから中止もせずに大波を突っ切って鳥羽まで走った。一行を乗船させてから15分で島影の釣り場へ到着、強風でも船はまったく揺れずに大型キスがバラバラ釣れてきた。誰かが釣る度に歓声があがり、ポーズをとってシャッター音がする。誰一人船酔いする事もなく楽しい釣りが出来た。こんな日に初心者が釣りに出るのはまったくの非常識と言うことになるだろうが、地の利、風向を知れば活路は開ける。それに船は屋根があるから少々の雨でも大丈夫だ。

一人だけ、一番手のかかるお嬢さんがいた。南アからのお客様を案内してきたスタッフの一人だ。エサは付けられない、魚は触れない、それでいて釣りはせっかちなのだ。すぐに「船長~~!」とウグイスのような声で野人を呼ぶ。船長、船長と数十回は呼びつけられた。


「何で私には釣れないの~?」

「君は悪くない、すべて魚が悪いんだ・・」

「船長が隣に来るとすぐ釣れる~~!」

「船長は・・忙しいんだ」


また来年も南アからのお客様を引率して来るようだ。説明が面倒だから野人ブログで海の勉強するよう勧めた。そう言うと早速注文が来た。

「今回のブログに・・ア・タ・シの写真も載せてね! 今日より明日がいい~」・・・

だから必ず見ていることだろう。顔がどうの、写りがどうの言われても知らん振りしとこ。



手のかからない良い子のスタッフ
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嬉しそうなウグイス娘
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おまけ
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