濃厚野菜ダシを料理に活かす | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

肉料理でも魚介料理でもスープは料理には不可欠だ。和食はもとより、洋食、中華とスープのない料理はない。国民食のラーメンやうどんなどもスープが決め手になる。日本には鰹節やイリコ、コンブ、干しシイタケなど多彩なダシがあるが野菜はあまり聞かない。せいぜい鍋物や吸い物でその風味を感じるくらいだろう。野菜の中でも比較的よく使われるのがタマネギでソースにされる他、オニオンスープも有名だ。しかしダシをとると言うより、そのまま煮込んで溶かしたもので、野菜をダシ専用に使うことはあまりないだろう。何度か紹介したが、普段捨てられる魚の頭などのアラは煮込むと素晴らしいスープがとれる。それを実践してその味に病みつきになっている読者もいる。しかし何故ダシ専用の野菜はないのだろうか。野菜からはそれほどまでの味が出ないのだろうか。そんなことはない。最近気が付いたのだが立派に旨いダシになる。ただしスーパーで売られている野菜にはそれは望めない。カツオやイリコ、コンブやシイタケなどほとんどが乾物と言われるように乾燥させている。天日で干すことで旨味が増すからだ。今研究しているのはダシ専用の野菜だ。鶏ガラでわかるように、若鶏よりも年季が入った骨のほうがはるかにダシ出る。野菜も同じなのだ。生食では硬すぎたり、火を通しても筋張ったような野菜をダシ専用にすれば良い。野菜のアクはそのまま旨味や甘味になることがわかった。何もダシ専用とまで行かなくても肥料で細胞を膨らませずに時間をかけて育った野菜ならスープにも食用にもなる。数値で示すのは難しいが、売られている普通の野菜のダシを1とするなら、有機野菜が3、時間をかけた本来の植物細胞野菜が6、食べにくいダシ専用野菜は10だ。普通の野菜はほとんどが水分で食べやすいがアクがないのでダシもそれほど出ない。

さらに干すことで旨味が増す野菜もある。当然向き不向きがあるのでそれを研究している。野人は魚介肉食人種で、木の実は好物だが「葉っぱ」はそれほど好きではない。しかしスープならその旨味は判別出来る。まあ、やるしかないだろう。皆さんの健康の為に。山菜も踏まえてミックスすれば健康スープそのものだろう。と・・言いながらしっかりその味を楽しんでいる。そのうち、農園で放任した野菜を乾燥させて「ブレンド野菜ダシ」を紹介するかもしれない。濃厚でさわやかな未知の味であることは間違いない。