オレンジピール | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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これは野人の好物だ。柑橘類の皮の砂糖漬けは子供の頃はザボン漬けと言っていたような気がするのだが、今はキリンビールみたいな呼び名だ。旨いのだがこんな面倒なもの野人が作るはずがない。還暦を越えたご婦人で、株主で野人の植物の先生が、この事務所の前の庭の放任無農薬の甘夏の皮で作ってくれた。皮だけでなく中身も甘くて旨かった。売られているオレンジ類の皮は残留農薬が怖くて使えないようだ。果物の皮も野菜の皮も安心して食べられる時代が来ればいい。

前の会社の野人の実験農園にも放任レモンの大木が数本あった。レモンは虫が吸った黒い斑点があったが、非常に香りが強くて皮ごと食べても美味しかった。レモンは青いほうが香りが強くて好きだ。数十年前の名もわからない原種に近い柑橘類も数十種あり、酸味が強く、色んな料理の薬味として実験した。施設が出来る前は放棄した柑橘類の交配実験場だったようだ。魚も肉も皮と身の間が一番旨い。何と言う名前か忘れたが、昔、お菓子の先生にいただいてほろ苦くて非常に美味しかった菓子がある。農園のハッサクをどっさり送ってあげたらお礼にと送ってきたのだ。ハッサクの皮をチョコでまぶしたようなけったいな食い物・・・オレンジチョコビールと言ったか、何度聞いても覚えられない。