燃えろいい女 世良公則 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

久しぶりに彼の姿をテレビで見た。朝のヒットスタジオとかで朝っぱらから吼えていたのだ。頭に風呂敷をかぶっていたがハゲたのかな・・。昔、夜のヒットスタジオでトップを走っていた「燃えろ いい女」。現地からの生放送で現場のセットを野人が指揮した。マリーナの海面の中心に野人が船長をしていた大型クルーザーをセットして、そのデッキで歌うというのが局の要望だった。船はセットできたのだが電源の壁があり断念、結局、クラブハウス前のボートヤードで中継した。真冬だったので野人がドラム缶で火を炊いていると世良公則とツイストのメンバーがやってきた。全員顔見知りだったから懐かしがった。ここにいることは知らなかったので意外な顔した世良が、「ところで、こんな所で何しているの?」とのたまう。野人は答えた、「見りゃわかるだろうが、君達の暖房係りだ」。リハーサルが終わり、本番になると例によって司会の久米宏と黒柳徹子から電話がかかる。彼は相変わらず顔に似合わずドスの聞いた声で「いいオンナ~~!」と怒鳴っていた、あれではいいオンナも逃げてしまうだろう。夜のヒットスタジオから電話がかかる場面に立ち会ったのはこれで二度目だった。最初はこの二年前くらいだったか、はるか南の東シナ海、トカラ列島の諏訪瀬島だ。島民50人の最高僻地で火山も噴火していた。彼と野人ともう二人でマージャンをやっている最中に久米宏から電話があった。「ろくでなし」だったか「宿なし」だったか忘れたが、とにかく連続1位記録を更新中だったらしい。

野人が「マージャン中だから断れ」と言うと、「そんなわけにはいかない」と出ちゃったのだ。野人はテレビを見ないからそこで初めて彼の歌を本人と一緒に聴いた。終わってから、「歌・・意外と上手いなあ」と言うと全員ずっこけた。

次の日、マージャンで夜更かしした彼を惨劇が襲った。思い出しても笑える。その話はまた近々「東シナ海流」に詳しく書くことにする。野人の悪戯は一級品だ。ゲンナリした彼の情けない写真もどこかにあったようだから探して見るか・・・彼は顔に似合わず骨のある気持ちよい男だ。