温泉猿が風邪ひかない理由 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

東北の温泉で猿が気持ちよく温泉につかっているコマーシャルが昔あった。なかなか猿もやるではないか、あの表情はサマに、いや・・サルになっている。野人はその時に思ったのだが、何故サルは凍死しないのかと。最北端に生息し、回りは雪景色なのだ。温泉から出たらカチカチに凍って凍死するはずだ。その時はそれ以上深く考えなかった。考える事が多すぎて猿ごときにかまってはいられなかったのだ。理由がわかったのはずっと後のことだ。海に潜る北極の白熊ならわかるが山に住む猿までがずぶ濡れになっても雪の中で生きて行けるとは思わなかったが理由は同じだ。動物のほとんどは真冬に水に浸かっても生きて行ける。皮膚も毛も油膜に覆われ水浸しにはなることはない。猪もカモシカも雪の中の温泉に浸かってもおかしくはないのだ。犬が体を振って水を飛ばすのと同じ要領で水は飛び散ってしまう。だから気化熱で体温が奪われることもない。瞬時に凍ったとしてもパラパラと雪のように落ちてしまうだろう。吹雪の中でも雪が付着する事がないのだ。動物の毛皮はすべて同じだ。だからウールも普通の洗剤では洗えない。動物は皮下脂肪と、毛皮に空気を溜め込むことで体温の低下を防いでいる。微生物と共生し、皮膚から出る不要物はすべて微生物が分解、気化しているから臭くもならない。表皮だけでなく口中まで微生物に守られ病原菌の侵入を抑えているから当然風邪もひかないし病気にもならない。メス猿も便秘や冷え性とは無縁だろう。人間は謙虚に「ご先祖」さまから学んだほうがいいようだ。猿に首輪つけて、毎日石鹸で毛皮を洗い、柱にくくりつけて無理やり口をこじ開けて歯磨き粉で歯を磨き続ければどうなるか、すぐにわかるだろう。猿は必ず風邪をひくし虫歯になる(笑)鼻水垂らした猿のくしゃみは見てみたいし、歯痛に悩む猿の表情を見たい気もするが、それも可愛そうだ。犬や猫などのペットを洗剤で洗うのはいい加減やめたほうが良い。皮膚病などの病気の元で、寿命を縮めるから動物虐待のようなものだ。洗えば気持ち良さそうな顔する犬もいるだろう。人間だって洗った時は気持ちよいのだから。

「猿から学べ」、終わり。