アイナメの煮こごり丼で絶叫! | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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熱々のご飯の上に・・・
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完全に溶けたらこのように・・
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昨日のアイナメの半身で「煮こごり」を作り冷蔵庫で冷やしておいた。煮こごりとは煮汁のコラーゲンが寒天のように固まったものだ。コラーゲンについては女性のほうが詳しいだろうが、平たく言えばタンパク質の一種で細胞間の結合組織だ。たくさんのアミノ酸が結合して出来たもので、哺乳類の体を構成するタンパク質の3割を占めている。まあ普通に魚や肉を食っていれば困るものでもないが、美容の象徴にもなっているようだ。原型よりも良くはならないし、目が覚める美形になるわけでもないのだから、そう無理に摂らなくてもと思うのだが、そんなこと直接言ったら殺気を飛ばされそうだからここだけの話だ。

コラーゲンは鳥の手羽や豚足、ミミガー、牛筋などに多く、魚ではエイやカレイ、アイナメなどに多く含まれる。豚足やミミがーを常食する沖縄に長寿が多いのはそのせいかも。

煮魚を冷ますと生臭くなることが多い。鮮度の悪い魚ほど生臭くなる。臭みを抜くには煮る前の下ごしらえでべた塩を当てて10分、熱湯で洗い流せばぬめりや血などの臭みは抜ける。それから調理すれば良いがやや塩辛いのでその分加減する。今回はアイナメの頭と骨を30分ほど煮詰めてスープを濃厚にした。それらを取り出し、骨を抜いた身をさっと煮立てて出来上がりだ。煮すぎると味が抜ける。スープが濃厚で身は味がぬけないほうが旨い。醤油、砂糖、味醂など普通の味付けで構わないが、煮こごりはスープを固めて食べるのだから醤油は少な目のほうが食べやすい。タッパウェアなど四角の容器にひたひたにして身を並べ、冷蔵庫で完全に冷ます。固まったら崩れないよう適当な大きさに切って皿に盛る。熱いご飯に乗せて食べるのだが、すぐに食べても魚の冷たさと熱いご飯が合う。そのまま置いておくとスープが完全に溶けてご飯に染み込む。野人の好みは半分溶けかかったくらいだ。一口食べて・・・「旨い~~!!うめえ~・・の小枝でウグイすう~!」と雄叫びをあげてしまった。鮮度も処理も味付けも完璧だったのだ。アイナメが特に好きと言うわけでもなかったが、このアイナメ料理はこれまで食べた中では最高に旨かった。アイナメはこれに限る。また・・もらって来よう。アナゴでこれをやったら、たぶんもっと旨いだろうな。