「けんもほろろ」は雉の鳴き声 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

昨日、野人農園に行ったらまた足元からメスのキジが走って巣の方向へ。完全にキジの縄張りになっているようだ。キジが土を掘ってうずくまった跡もあり、あんなデカイのに巣を作られても困る。しかも卵は10個くらいは産むのだ。キジは日本の「国鳥」で、世界で日本にしかいない固有種だ。飛ぶのは苦手だが走るのはすこぶる速く、時速30キロ以上で走れるほどの健脚なのだ。母性本能が非常に強く、山火事になっても巣を離れず子供を守る。食性は昆虫だが、蛙や鼠や蛇などの小動物も捕食する。

キジの鳴き声は「ケーン」で、「けんもほろろ」と言う言葉の由来になっている。また無精者ゆえどこか抜けている。草むらに隠れたつもりでも下半身が出ているのに気付かない。「頭隠して尻隠さず」のことわざはキジのこの様子から生まれた。黙っていればその存在に気付かれないのに、つい「ケーン」と鳴いて飛び立ち、猟師に撃たれてしまう事から、「キジも鳴かずば撃たれまいに」ということわざも生まれた。昔から話題に事欠かない鳥なのだ。万葉集や古今集などにも繁殖期のキジの様子が歌われている。野人もキジが夫婦でトコトコ歩いている姿を何度見た事か。飛んでいるよりも歩いているほうが圧倒的に長いのだ。たまに飛ぶだけニワトリよりもちょっとマシな鳥と思えば良い。

増えすぎて・・・ゾロゾロ来られたら、何匹かは「キジハム」になってもらうつもりだ。何しろ国鳥なのだから、お国の為に、野人の為にぜひそうして欲しい。キジは本当に旨い。



キジ さん・・・・