「シイの実」の簡単な見分け方 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは


 

シイの実は太古から動物が競って食べた貴重な木の実だ。

人間からイノシシ、リスやネズミ、狸に鳥などが群がり、地に落ちてからあっと言う間にそれぞれの胃袋に収まる。

 

最後まで残っているのは寺や神社などのシイで、綺麗に整地された地面には生物も少なく晩秋まで拾える。

子供の時から食べていた人はわかるのだが、これだけドングリが多いとどれがどれだかさっぱりわからない。

 

ドングリと言う木は存在せず、ドングリは樫や椎などの実の総称だ。

ドングリはアラカシ、シラカシ、ウラジロガシなどの樫の木、シイタケの原木になるコナラの木、備長炭になるウバメガシ、クヌギやカシワの木など一般的なドングリの木は数十種ある。

色んなドングリを集めるのも楽しいものだ。

 

ドングリと葉を見れば野人はだいたい木の名がわかる。

シイの実には特徴があり、簡単な四つの判別法を書いておく。

落ちているドングリだけ見れば難しいが、一緒に落ちている「がく」で見分ける。

 

代表的なシイは「スダジイ」と「ツブラジイ」で、スダジイのほうが大きくて食べやすい。

 

スダジイの実は「お椀」みたいなガクの他のドングリと違って、ガクにすっぽりと包まれ落ちる頃には「先端が三つに裂けて」実が顔を出す。

 

葉の特徴は先端が「細く曲がって」いる。

葉の裏は、樫類は同じ緑だがシイは「茶色の皮質」になっている。

 

落葉樹のクヌギやコナラは別にして、常緑の樫の木は樹皮がすべすべのものが多いが、同じ常緑のスダジイの樹皮は「ガサガサ亀裂」が入っている。

 

この4つで確認すれば大丈夫だが、もっと簡単なのは生でかじって見ることだ。

他のドングリは渋いがシイはそれがなく生で食べられる。

寺や神社には昔からシイが植えられているが、太古から生命を支えてきた木の実であり、飢饉の時にも役に立つからだ。

 

写真のシイは伊勢神宮の駐車場に大量に落ちていたものだが誰も拾わない。たぶん知らないのだろう。

知っていれば親子で拾うはずだ。

通りがかった親子に聞かれて教えたら、車から袋を持ってきて拾っていた。

子供は生でかじっていたが初めて食べたようだ。

 

シイの実を始め、木の実には生命力があり、栄養分もバランスよく詰っている。

世の中では最高の天然サプリメントでありカロリーメイトなのだ。

その気になればいくらでもタダで拾える。

 

健康を害している人は日に5粒でも薬のように食せば効果抜群だと思うのだが、そのように利用している人にはお目にかかったことがない。

 

 

詳細最新記事 画像解説 2017 11月

シイの実の見分け方

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