「さかなクン」の原点は「タコ」 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

NHKの食彩浪漫でやっていたが、さかなクンが魚介の道にどっぷり浸かった原因は「タコ」らしい。題名も「タコがくれたさかなクンへの道」だったから可笑しい。小学2年生でタコの魅力に取り付かれ、1ヶ月間毎日「タコのバター焼き」を食べ続けたとのことだ。タコに夢中になりすぎて描く絵もタコばかり、母親も先生からさんざん言われたらしいが、さかなクンを弁護、それだけ熱中できるのは素晴らしい事だと。まあ、この子にしてこの母ありの環境だったのだ。何故タコなのか野人にもわかるような気がする。野人も小学低学年でときめいたのはタコだったのだ。魚やエビや貝などたくさん獲ったが、タコを獲った時の喜びほどではなかった。大きな感激は覚えている。泳げるようになった時、櫓を漕げるようになった時、潜って魚を突けるようになった時だ。その下の感動は多い。初めてのサザエやアワビ、ウナギ、木の実、うさぎや野鳥を捕らえた時などで、本能に密着した「エサ獲り」ばかりなのだ。中でもタコには熱中した。味は普通なのだが、何故熱中したかはいまだに良くわからない。それは今も続いている。潜ってタコを見つけるとあの時と同じ感動が湧いてくるのだ。ひょっとしたら「タコを中心に」海は回っているのかも知れない(笑)。小学校高学年が熱中最盛期、夏はずっと水に浸かっていたが、海ではタコ、川ではウナギだった。ウナギもタコと並びいまだに解明出来ないミステリアスな生き物だ。そんな部分に男の好奇心は惹かれるのだろう。野人のタコとウナギ獲りのノウハウは小学校高学年で身につけたもの、思えば随分長い間役に立ってきたものだ。学術知識はさかなクンほどではないが、実践を含めた総合力ではさかなクンよりはるかに詳しい。