タコ踏んじゃった3 タコの旨い食べ方 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

タコの一般的な食べ方は茹でたものをワサビ醤油で食べる食べ方だが、タコを死ぬほど捕獲した中学高校の頃はそんな食べ方をしたことはなかった。一番多かったのがそのまま焚き火に放り込む「丸焼き」だ。当然焦げるから払い落として食べていた。持ち帰ると茹でてキウリと一緒に「酢の物」がほとんどだった。サザエも茹でてスライスしてその中に放り込まれていた。タコとサザエの酢の物は見たくもないくらいだ。3匹も持ち帰るとそれでも消費しきれないから煮付けて学校の弁当のおかずにビッシリ詰められていた。責任を持って食べなければならなかったのだ。数年前からスーパーでタコのから揚げが売られるようになったが、これはイカよりはるかに旨いと思った。しかし、総合評価するなら、やはり生のタコを丸ごと炭火で焼いて、ナイフで切って食べる事だろう。茹でるとタコの味が抜けてしまう。煮汁に旨味があるのだ。茹でるくらいならそ生のまま煮つけたほうが良い。

しかし丸ごと焼くとなると家庭では大変だ。せめて切り分けて焼いて食べてみて欲しい。

茹でるなら最高の方法がある。活きの良いタコに限るが、湯通しする程度が旨い。皮だけに火が通り、中は生にするのだ。すぐに冷水にとって冷ます。鍋に入らなければ足を一本づつ湯に通す。ちょっと長めの「シャブシャブ」と考えれば良い。それを薄くそぎ造りにすればタコの「湯霜造り」という刺身が出来る。一部だけそうするなら、足を切り分け、さらに半分に切って刺身になる太い部分だけ使う。後はしっかり茹でダコにすれば良い。熱の入った皮の旨味と生の刺身が同時に味わえるし、皮剥ぎが面倒なタコ刺しと違って簡単だ。表面に湯をかけるタイの皮付き刺身と同じ要領だ。この刺身と炭火焼とタコの天ぷらでもあればご機嫌だ。ちょうど一匹家族で丁度良い量になる。タコは1キロ弱くらいの活きたものが旨い。氷水に浸けて弱らせ目から口に向けてアイスピックを刺し、内臓を抜いてヌカでもめばヌメリは取れる。完全な茹でダコにするなら一度冷凍してから茹でると柔らかく食べられる。魚と違って、その肉質からタコは冷凍保存しても味が落ちない。野人が一番好きな食べ方は生のまま炊き込む「タコ飯」だ。この場合はタコではなく飯がたまらなく旨い。炊き込みご飯の中ではトップクラスだと思っている。炊き込んだ生の地タコから出る味は強烈だ。魚は天然マダイ、貝ならやはり牡蠣だろう。