ヤマブドウのツルが伸びる | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

農園周囲のフェンスに6本植えてあるヤマブドウが伸び始めた。10種類あるブドウ類の中では一番勢いが強く早い。食べられる野生のブドウは3種類ある。葉も実も一番大きくなるヤマブドウと、小柄なエビヅル、サンカクヅルだ。エビヅルは暖地性で潮風が当たる山林に多い。これらのブドウは美味しいのだが比較的酸味が強い。あまり売られていないエビヅルとサンカクヅルは山から甘味の強いものを選んで掘ってきた。普通のブドウと違って強烈な紫色が出るので食品の着色料にも使える。よく似た植物にトンボの目玉と呼ばれて赤や青の綺麗な実がなる食べられないブドウがある。「ノブドウ」とか「ジャブドウ」とも呼ばれている。見分け方は、ノブドウは葉の表も裏も緑色だ。ヤマブドウ、エビヅルには繊毛が生えてやや茶色がかっている。サンカクヅルの葉には繊毛はないから葉と実の形で見分けるしかない。サンカクヅルはブドウらしからぬ葉の形をしている。ブドウは甘くて美味しい。ヤマブドウの仲間は野趣溢れ、酸味があって美味しい。明らかな違いは、ブドウは家で冷やして食べる果物、ヤマブドウの仲間は山でつまみ食いする木の実だ。