ブレンの夏休み | エメラルド

エメラルド

好きなことや日々の雑感を書き綴ってます

ロイミュードと人間、共存できればいいのにな。

そんな願望をこめた妄想。


こういうの嫌いな人は、お読みにならぬよう。

思い入れゆえの戯言だと思って、許してー。


チェイスの夏休み2のその後の話。

ということで、スタート。





ダウンダウンダウンダウンダウン





チェイスは、無知で無自覚で無遠慮なやつだ。

仲間を裏切り、敵対しているにもかかわらず、こうして時々やってくる。

そして、ハートにアドバイスを求める。

ハートがまた、それをすんなり受け入れて教えてやるのが気に食わない。

うん、全く気に食わない。


それは、メディックも同じらしい。

近づくチェイスを遮ろうとするのだが。

ハートが、笑顔で止める。

「今日はどうしたんだ?チェイス」

「招待状を持ってきた。よかったら、参加してくれ」


は?

招待状?

何考えてんだあいつ・・・

さすがのハートも面食らった顔をしていたが。

チェイスは、ハートに封筒を押し付けて行ってしまった。


招待状とやらを読んで、ハートが苦笑した。

「おもしろいやつだな、チェイスは・・・お泊まり会をしたいと書いてある」

「きっとやつらの罠ですわ、ハートさま」

「いや、チェイスに限ってそんなことはしないよ、メディック」

確かに、お泊まり会なんてバカバカしい罠があってたまるか。


「詩島剛・・・蛮野の息子の家に泊まりに来いということか・・・ん、各自枕を持参?」

「寝具の用意もされていないようなところに泊まりに来いだなんて、ふざけた話ですわ」

しかし、なぜ枕なんだ?

布団や毛布は用意するが、枕だけないということか?

それとも、枕が変わると寝られないという者への配慮か?



「チェイスは、人間たちの中で、よほど楽しいことがあったんだろうな」
ロイミュードは、人間を支配しようとしている。
しかし同時に、抑えきれない憧れもある。
「ハートさま、誘いに乗るのですか?」
「まさか。ロイミュードが仮面ライダーの家に泊まるわけにはいかないだろう」
そう言いながら、ハートはもう一度招待状に目を落とした。
「枕か…全く人間は、あらゆるものに楽しいことを見出だすものだな」
そうつぶやいた時、ハートの背中がほのかな金色に染まったのを、私は見逃さなかった。

そして私は、ピローショップにいる。
ハートは、明らかにお泊まり会に興味を持っている。
ならば、何かお泊まり会らしきことをすればいい。
それにはまず、枕だ。
この店には、あらゆる枕がそろっているはずだ。


ハートにふさわしい枕。

やはり、キングサイズの豪華なものがいいですね。

中身は、羽毛かな。

低反発枕というのも、試してみる価値がある。

できれば、片端を私に使わせてもらえたら・・・

そんなことを考えながら店を見渡すと、見たくもないものが目に入った。


天蓋つきの大きなダブルベッドの傍らに、メディックが立っていた。

「あら、ブレン。こんなところで何をしてますの」

「そういうあなたこそ、何を?」

「ハートさまの枕を選んでますの。やはりハートさまには、キングサイズの豪華なものがよろしいですわ」

私は、ハンカチを握りしめる。

気に食わない・・・全く気に食わない。


メディックはダブルベッドに乗り、置かれた大きな枕の片端に、試すように頭を乗せた。

こいつ、明らかにハートの隣で寝るつもりですね。

私も負けじと、反対側に乗ってみた。

「ちょっとブレン、どいてくださらない。そこは、ハートさまが寝るところよ」

「ハートは、この真ん中で寝るんですよ。あなたが頭を乗せる場所など、1ミリもない」

「だったらブレンも、そこから降りたらどうなの」

ほんっとに気に食わない・・・


ダブルベッドで言い争っていても埒があかない。

「何をムキになっているんだか。大体、ハートがこんな大きな枕使うと思いますか」

「え?」

「多分ハートは、シンプルな普通サイズの枕を選ぶと思いますよ」

メディックは、正気に戻ったようにベッドから身を起こした。

「ハートさまに似合う枕は、私が判断するわ」

動揺を隠すように、優雅に走っていく。

今の言葉で、多分メディクは普通サイズの枕を選ぶことでしょう。

ひっかかりましたね・・・


しかし、改めて考えてみるとお泊まり会にこんな大きな枕など持っていくものだろうか。

ハートに似合う枕と考えてしまったが、そもそも発端はお泊まり会だ。

お泊まり会に持っていく枕なら、やはりシンプルな普通サイズの・・・

私は、あわててダブルベッドから降りた。


気に食わない・・・全く気に食わない・・・

私とメディックは、それぞれ別の売り場で枕を買った後、競うように戻った。

そして同時に、ハートに枕を差し出した。

普通サイズの、シンプルな。

しかし、カバーに赤いハート模様の刺繍された。

同じ枕を。



「何だ、2人して同じ枕を買ってきたのか」

ハートが、愉快そうに笑う。

「違います、ハートさま。これは私が選んだんです。ブレンが勝手にマネしたんですわ」

「何を言ってるんだ。私は、自分で考えてこの枕を」

「まぁいい。せっかく2人が買ってきてくれたんだ、両方使わせてもらうよ」


メディックの包みに、ふと目をやる。

ああ、こいつやっぱりペア枕を買ってきたのか。

カバーに、黒いハート模様が刺繍された枕を。

メディックも、私の包みを凝視している。

カバーに、緑のハート模様が刺繍されたペアの枕が入っている包みを。


「さて、3人お揃いの枕を手に入れたわけだが、これからどうする?」

ハートが、2人に笑いかけた。