みんな、恋とか愛とか気がつかなきゃよかったのにな。
気づかないままに、みんなでわちゃわちゃ楽しくやってればよかったのに。
ダチだ、ダチじゃないって繰り返してればよかったのに。
そうだったらいいのになって、妄想が膨らんで。
それで、こういうことになった。
以前書いた、チェイスの夏休み の続き。
こういうの嫌いな人は、読まないでね。
寛大なお心でお読みいただければ幸いです。
進ノ介にメールしてるチェイスというか。
チェイスの独り言みたいな。
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進ノ介。
俺は今、霧子の家のベランダで洗濯物を干している。
お泊まり会というのは、楽しいものだった。
霧子と剛と3人で、ババ抜きというゲームをした。
何度やっても、俺が負けた。
後で霧子が教えてくれたのだが、ジョーカーを引き当てると、俺はずっとそれを凝視しているそうだ。
知らなかった。
弱点は早く克服しなくては。
霧子が風呂に入っているとき、剛がドアの前に座り込んで「絶対のぞくなよ」と言った。
俺は風呂の入り方ぐらい知っているので、のぞく必要などないと伝えたのだが。
「ネーチャンあんなにカワイイんだぞ、のぞいてみたいとか思わないのか」と言われた。
「お前はのぞきたいのか?」と聞いたら、口をパクパクしていた。
こういう場合、「のぞきたい」と言うのが礼儀だったのだろうか。
霧子が、俺のために着替えを出してくれた。
俺はこのままでいいと言ったのだが、「寝るのに窮屈そうだから、リラックスして」というので、着替えることにした。
それは、剛のシャツだった。
霧子は、剛やその友達がいつ泊まりに来てもいいように、着替えや寝具を用意していたのだそうだ。
「やっと使う時がきたわ」と喜んでいた。
俺は、剛の友達ということでいいのだろうか。
前から疑問に思っていたのだが。
剛のシャツにはなぜ全て「GO」と書いてあるのだろう。
この際だから、本人に聞いてみた。
「自分の持ち物には名前を書けって教わらなかったのかよ。あ、お前ロイミュードだもんな、誰も教えてくれないよな」
確かに、そんなことは誰も教えてくれなかった。
でも、剛が教えてくれた。
俺は、剛に礼を言った。
剛は、何だか妙な顔をして、「とにかく、それ俺のなんだからなっ!ちゃんと洗って返せよ」と言った。
だから俺は、今朝起きて、まず洗濯をした。
ピンクとイエロー2種類の洗剤があったので、ピンクの方を使うことにした。
ついでだから、霧子や剛の服も一緒に洗濯機に入れた。
2人は、まだぐっすり寝ているようだ。
剛は夜中、部屋中を転がっていたようだが、今は布団の位置に戻っている。
器用なものだと思った。
2人とも、俺を警戒せずに安心して寝ていると思うと、何だかうれしかった。
そして俺は、洗濯物を干している。
霧子の服は、一番日当たりのいいところに干してやろう。
しかし、こんな小さいものを穿いているのか。
それこそ、窮屈ではないのだろうか?
霧子が起きたら、朝食の準備を手伝いたい。
剛が、エビチリチャーハンが食べたいと言っていたから、作り方を聞いてみよう。
いろんなことを教えてもらえるのは、楽しいことだな。
進ノ介、お前からも、いろんなことを教えてもらいたい。
だが、まずは次のお泊まり会の相談をしよう。
枕投げのルールも教えてくれ。
追記
送信した直後、進ノ介からひどく動揺した電話がかかってきた。
「チェ、チェイス、き、き、霧子のパン・・・その・・・き、霧子の服は、部屋干しにした方がいいぞ」
むぅ、これは日の光を当ててはいけないものだったのだろうか?