それにつけても、こう決戦場けっせんじょう第7年に入りわずか2,3か月の間にかい大動乱の様相を呈す様は、あたかも津波が入り江にはいって勢いを増すがごとくで、しょてんの凄まじいテンポにおどろきをきんぬものであります。
 それだけにせんせいさんびゃくまん達成を「あと5年以内に為すべし」ひそかにけつされた2028年までの残り3年弱の時間がいかにじゅうだいなのかが身に迫り、急ぎ一国を動かし鉄壁てっぺきの組織を構築せねばならぬこときもめいずるものであります。
 本年2月28日、トランプだい

(とう)

りょうとイスラエルが共同で開始したイランへのぐんさくせんは、3週間以上が経過した現在も収束の見通しが立たず、ちょうの懸念が強まっております。
 トランプだいとうりょうはイランとの交渉の可能性を強調しているものの、イラン側はこれを否定しており、状況はいずれとしてりゅうどうてきであります。
 このせんそうかいけいざいに深刻な影響を及ぼし、特に、エネルギーの供給がおびやかされつつある。
 開始直後、アメリカはイランの最高どうしゃハメネイを始めどうの要人を標的とした攻撃を行い、ハメネイらを殺害したもののイランの現体制の転換には至らず、代わりにハメネイの次男のモジタバが最高どうしゃに就任し、体制はよりこうきょうじんしたといえる。
 トランプだいとうりょうは当初、さいしんえい兵器を駆使した空爆によりイランを比較的短期で屈服させられるとらっかんしておりました。
 しかし、イランは安易なドローンや弾道だんどうミサイルによる飽和攻撃でアメリカとイスラエルの防衛網ぼうえいもうを突破すると共に、イエメンのフーシ派やレバノンのヒズボラなどの親イラン武装組織を使った非対称戦術で報復ほうふくを続けている。
 その結果、ちょうせんの様相を帯び、秋に中間選挙を控えるトランプだいとうりょうせいてききゅうに追い込もうとしております。
 何より、このせんそうかいもっとも大きな影響を与えているのはイランによるホルムズかいきょうじつじょうふうであります。
 かいげんてんねんガスの約20%が通過するエネルギー供給の大動脈が機能不全におちいったことで、こくさいエネルギー機関のビロル事務局長は「1970年代のせきとウクライナせんそう後のガスが重なったような規模」と警告し「せきてんねんガスだけでなく、せき化学製品や肥料、おう、ヘリウムなどかいけいざいにとって重要な物資の貿易も途絶状態にあり、特に、ホルムズかいきょうへの依存度が高いアジア諸国しょこくが最前線に立たされている」とその深刻な影響をてきしております。
 今後、この中東情勢がどのような展開になるかはいまだ分からないものの、仮に早期停戦が実現したとしてもエネルギー供給の正常化には相応の時間を要し、地政学てき緊張もくすぶり続ける能性のうせいが高い。
 一方、せんそうがさらにちょうすればかいてきけいざいが深刻化するリスクにくわえ、アメリカのぐん力が中東に集中して手薄になった東アジアで中国ちゅうごく台湾たいわん侵攻しんこうを早める決断をするかもしれない。
 また、イランが中国ちゅうごく・ロシア・北朝鮮きたちょうせんとの反欧米の連携を強め、だいさんかいたいせんにつながるリスクもありる。
 現在かいせん最大級の地政学けいざいの瀬戸際に立っているといえます。
 そして「このせんそうの背景にはネタニヤフしゅしょうの汚職裁判逃れやトランプだいとうりょうの国内支持率回復、秋の中間選挙を前にした失地回復の目的もくてきがあった」とアメリカの一部のメディアでは相次いでほうじられております。
 さらに、このようなリスクの高いぐんさくせんに当たり、トランプだいとうりょうの見通しは甘かったとわれている。
 本年1月3日のベネズエラ攻撃こうげきのように早期に決着がつくと過信し、失敗した場合の明確な出口戦略が十分に用意されていなかった可能性が高い。
 攻撃こうげき開始前、米軍のケイン統合参謀ほん議長からイランによるミサイル・ドローン・機雷を用いたホルムズかいきょうふうの可能性について再三警告を受けていたにもかかわらず、トランプだいとうりょう「イランはふうする前に降伏する。仮にかいきょうふうしても米軍で対応可能」と判断してさくせんを強行したとされている。
 実際、ホルムズかいきょうじつじょうふうされた後、にっぽんを始めとする7か国に艦船かんせんけんを要請したことは、かいきょうふうへの備えが不十分だったことものがたっております。
 また、トランプだいとうりょうぐん行動の大義として当初はイランの核兵器製造とアメリカ本土に到達する長距離ミサイルの開発をげていましたが、米情報機関やこくさい原子力機関の見解ではそうした差し迫った脅威は確認されていなかったという。
 さらに、3月17日にはこっテロ対策センター所長ジョー・ケントが「イランによる差し迫った脅威はなかった。このせんそうはイスラエルとその強力なアメリカ国内のロビー団体からの圧力によって引き起こされた」べ、辞任しております。
 この点からこくさいほうが認める予防てき自衛の要件を満たさない違法な先制攻撃である」と多くの学者や専門家、団体などからだんされております。
 もちろん、イラン側にも核開発等の様々な問題があったにせよ、もしこうした利己りこてき目的もくてきせんそうの主要な動機の一つであったとすれば、かいにとって極めて深刻なたいわざるをない。
 ブルンバーグの論説ろんせつなども

かいの大半はトランプ氏とその側近達の無知に衝撃を受けている。今や彼らはせんそうごっこをしている。
 かい全体、とりわけイランこくみんはその無謀さのせいとなる」

と痛烈にはんしております。