奇しくも解散処分50周年の大節に当たる本年の8月をここに迎え謹んで鑑みるに、熱原の大法難の後「法華講衆断罪」の報をお受けになられた大聖人様は、直ちに日興上人に遣わされた『聖人等御返事』には
「彼等御勘気を蒙るの時『南無妙法蓮華経』と唱え奉ると云々。偏に只事に非ず」
「すなわち、熱原の法華講衆の代表神四郎・弥五郎・弥六郎の三人が頸刎ねられんとした時『南無妙法蓮華経』と唱え奉った事、ひとえにこれ只事ではない」
と仰せられる。
大聖人様は深い御感を示し給い、熱原の法華講衆を願主として出世の本懐たる本門戒壇の大御本尊を建立あそばされたのであります。
翻って、御本仏一期の御遺命を守り奉るために御身が破れるとも師子王の心で大忠誠を貫かれ、ついに死罪というべき解散処分を被った先生の大忠誠心を大聖人様はいかに深く御感遊ばし給うた事か。
ゆえに、かかる先生を大聖人様は衣をもって覆い、御守護下されたものと伏して拝するものであります。
具体的に言えば、死罪に等しき解散処分を被った事でかえって学会・宗門の間に勃発した修羅と悪竜の合戦のごとき醜悪なる大抗争に巻き込まれずに済んだ事。
戒壇の大御本尊に国立戒壇の金剛法座へのお出ましを願う唯願説之である恋慕渇仰の遥拝勤行が先生によって確立された事。
その怒涛の大前進は顕正会を怨嫉する宗教学者ですら認めざるを得ないほど圧倒的な力で日本を独走している事。
まさしく、御遺命のゆえに被った解散処分により先生率いる顕正会は日本国で唯一御本仏の御遺命を守り奉り、国立戒壇を目指して戦う仏弟子の大集団となったのであり、これ、下種御本仏の順縁広布の御化導が最終段階に至ったものと畏れながら拝しては五体が打ち震えてまいります。
ここに今、原点の月8月を迎え、全員が誰人も比肩し得ぬ先生の大忠誠心、師子王の心で貫かれた激闘を命に刻み、大事の御遺命成就の戦いに臨んでまいろうではありませんか。
最後に申します。
先日先生が保管されていた昨年の6,7月法戦の折伏成果の一覧表を見ていた時、その余白に書かれていた先生のメモを見つけました。
そこには、三百万への達成時期についてこのように記してありました。
「三百万への残り56万3964人、あと5年以内に為すべし」と。
昨年の2023年(令和5年)から数えて5年以内とは本年から数えればあと4年以内、すなわち2028年(令和10年)までという事です。
私は、激動の客観情勢を御覧になった先生から常々「もっと加速度をつけていかなければ亡国に間に合わない」と三百万を急がれるお心をうかがっておりましたが、先生に置かれては心中密かに三百万の時期を定め、そこから逆算して広布の陣頭指揮を執っておられたのであります。
兼ねてより先生は「2020年代こそ広宣流布の決戦場である」と思い定められ、全顕正会員を強き信心で打ち固め、全員を地涌の菩薩の自覚に立たすべく2015年から2019年にかけて日本列島を8つの地域に分けて南東北大会、九州大会、近畿大会、中部大会、中国・四国大会、北関東大会、新潟大会、北東北大会を開催されました。
かくて、2020年代に突入するや「日本国の大疫病と大けかちと同士討ちと他国より責めらるるは総罰なり」とて大疫病たる新型コロナウイルスが世界中で猖獗を極め、世界におけるその死者の累計は、世界保健機構の推計では2022年の時点で約1500万人とも言われております。今だに新型コロナウイルスは収束しておりません。
そして、大けかちは大飢饉・食糧危機の事。現代においては経済崩壊がこれに当たります。
安倍晋三の悪政たるアベノミクス、異次元金融緩和によって円の価値が減り続け、今や円は世界のあらゆる通貨の中で最弱となり、これにより輸入物価が高騰し、2年以上も実質賃金が減り、人々の生活は苦しくなる一方であります。
その結末は日銀の債務超過、そして国家破産に至り、国民は塗炭の苦しみを味わうのであります。
まさに、アベノミクスの最終章を迎えたごとくであります。
そして、前代未聞の大闘諍と日本への他国侵逼も刻々と近づいております。
先生が「第三次世界大戦の口火」と断ぜられたウクライナ戦争はエスカレートし、NATOとロシアの直接交戦も現実味を帯びております。
一方中国はロシア・北朝鮮と連携しつつ、アメリカ中心の現在の世界秩序を覆して世界制覇を虎視眈々と狙っており、新興国・途上国のグローバルサウスにまでその勢力圏を広げております。
兼ねてより先生がおっしゃった通り、世界はアメリカを中心とする自由主義陣営と中国を中心とする専制主義陣営の真っ二つに分裂し、今や前代未聞の大闘諍、すなわち核を使用した第三次世界大戦が迫りつつあります。
その中、台湾有事や朝鮮半島有事が起き、日本の自衛隊が米軍の下請けとしてその指揮下で戦えば、日本の本土が中国・ロシア・北朝鮮の標的となり、火の海になる事は自明であります。
まさに、広布の決戦場たる2020年代に突入するや総罰が現われ始め、磁石が鉄を吸うように亡国の客観情勢が刻々と整ってきているのであります。
この総罰は、下種御本仏日蓮大聖人を軽賎する事る「仏法より事起こる」の大罰であります。
すなわち、日本一同が今だに大聖人様を信ぜずに背き奉っている事。
なかんずく、最も重大な違背は大聖人様の唯一の正系門家が御本仏一期の御遺命たる国立戒壇を捨て、極限の大謗法、師敵対に陥ったゆえ。
「仏法は体、世間は影」であれば日本はいよいよ亡国への速度を速めるのであります。
かかる亡国を眼前にして、私は先生が御決意された2028年(令和10年)までに三百万を断じて成し、第三度の一国諌暁に立たせて頂かんとお誓いするものであります。
先生はかく叫ばれました。
「私は、2020年代の然るべき時に第三回目の一国諌暁の書を著わし、大聖人様に応え奉らんと決意している。
この時、顕正会の大総会を開催し、全顕正会員の熱誠をもって大規模なる諌暁の戦いを起こしたい。
大聖人様に忠誠を貫く仏弟子三百万が一結すれば日本国は必ず動き、大聖人様の大恩徳は一国に輝く。
そしてやがて『ただをかせ給へ、梵天・帝釈等の御計らいとして、日本国一時に信ずる事あるべし』との仰せが事実となるのである」と。
66年にも及ぶ大河のごとき先生の激闘はひとえに御遺命を成就するものであれば、その大事な御奉公を先生より託された私達の果たすべき責務の重さを痛いほど感じては、ただ全てをなげうち、師子王の子として立正成就の唯願説之の戦いに身を捨てんと臍を固めるものであります。
さあ、原点の月8月、先生の一周忌を見据え、全組織が人材を打ち固める中に最終法戦を見つめた油断なき前進を成し、もって霊山よりお見守り下さる浅井先生に全員でお応えしてまいろうではありませんか。
令和6年 7月26日 7月度 総幹部会 浅井会長指導