そして、今思うに、この敗戦こそいよいよ順縁広布の時代に突入する入口であったのであります。そのわけは2つある。
1つは、この敗戦により広宣流布を妨害する国家権力が消滅してしまった事。
もう1つは、マッカーサーが押し付けた日本国憲法の中に亡国の時限爆弾があるという事です。
日本国憲法を見てごらんなさい。第一条では天皇の地位は明治憲法の統治者から象徴に変更されている。その上、こういう文があるでしょう。
「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく(天皇の地位は国民が決める)」と書かれているんです。天皇の地位を極めて不安定な地位にした。
これは、日本国を主なき国にせんとした事です。
大聖人様は「国に主なければ亡ぶ」と仰せになっておられまするが、ここに亡国の時限爆弾の一つがある。
もう1つ、第九条では「戦争放棄」「戦力及び交戦権の否認」という事が謳われているんですね。
「戦争を放棄する」「戦力を持たない」「交戦権を否認する」こういう事が日本国憲法に謳われている。
そして、具体的な文はこうですね。「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」という事が日本国憲法第九条に定められている。これで国家の存立ができますか。
そうでしょう、日本が戦争を放棄するのはいいけど他国がこの日本を侵略してきたら誰が守るんですか。こんな無責任な国家はないんですよ。
他国が侵略してきたならばいかなる事があっても国を守る事が政府の義務ではないですか。そういう事を放棄した。
こんな憲法は憲法ではない。これでは国は存立できないんです。
この第九条を見れば、戦勝国アメリカがこの日本国憲法を作って日本に押し付けたその目的がよーく分かる。
すなわち「アメリカに依存しなければ存立し得ない日本を作る」これが日本国憲法制定の目的であったのです。
永遠に米国を脅かすような強い日本を作ってはいけない。米国に依存しなければ日本は存立し得ない。
そういう弱い国にしておいて米国がこの日本を利用する。それが日本国憲法制定の目的だったんです。
そこに、日米安全保障条約というのがある。
自衛力を持たない日本をアメリカが守ってやるというものでしょう。
しかし、そのような事がいつまでも続くわけがない。もうドナルド・トランプ前大統領がこういう事を言い出したでしょう。
「日米安保条約は片務条約だ。片方ばかりがうまい思いをする。
もし日本が攻められたならばアメリカ軍が行って血を流すけれども、日本人は全員その時にテレビを見ているじゃないか」という事を3回言いました。
ですから「日米安保条約は片方だけが義務を負うという。こんな理不尽な事はない」とドナルド・トランプ前大統領は言った。
彼は端的に物を言う人だからあからさまにこの事を言ったんですね。
このように、片務性の強い日米安保条約がいつまでも続くわけがない。
もしアメリカの日本防衛に対する意思と能力が衰退してきたならば、たちまちに日本は亡国の危機に直面する。
だから「この日本国憲法には亡国の時限爆弾がある」と私は言っているんです。
すでにアメリカの国力は衰退しつつある。
だから見てごらんなさい。アメリカ軍がアフガニスタンから全部撤退したでしょう。
なぜかといえば、お金がなくなってきたんです。そんな事ができなくなってきた。
このように、能力が失せてきたんですね。今のアメリカは衰退しつつある。
一方、アメリカと対抗する軍事独裁国家の中国・ロシア・北朝鮮はすでに核兵器を持っている超大国であり、その軍事力は年年月々に増大しつつある。
その上、この中国・ロシア・北朝鮮の三国は対米戦争を念頭に置いた上で事実上の軍事同盟を結んでいるんです。一緒に軍事演習までやってますね。つい最近も中国・ロシアが共同軍事演習をやっている。
大聖人様は「広宣流布の前夜には前代未聞の大闘諍が一閻浮提に起こる」とこうハッキリと『撰時抄』に仰せになっておられまするが、これから起こるであろう世界を二分する米中対決こそこの前代未聞の大闘諍に当たる事は疑いない。
その時、米国の尖兵的役割を果たしている日本はまず台湾と共に血祭りに上げられる。
強大な破壊力を持つ核ミサイルの攻撃を受ければ、日本列島は瞬時に壊滅してしまうんです。
米国もこの日本を防衛する力はすでになくなっております。中国・ロシアと全面戦争する力は米国にはない。
そうなれば、日本を守るという事もできなくなってくるんです。
新・新潟会館御入仏式 浅井先生指導