外来種たちのパンゲア 1 | ミニ地球世界のプチ神様を目指して

ミニ地球世界のプチ神様を目指して

密閉水槽という閉鎖空間での実験。初めての方は、テーマから「バイオキューブ」の記事をご覧下さい。
40過ぎのキモカワ系男子・虫歯天使が前人未到の領域に挑戦する。→ In English
https://ameblo.jp/msibatennsi

こんにちはー!

私は何でこんなブログを運営し、一生懸命にXのフォロワー様を増やそうとしているのでしょうか?

そもそも何を目指していたのか。何故、今日も地球の片隅で、クソデカミニ地球とともに生きているのか? 人生のミッシングリンク=虫歯天使です!


さて、今回から何度かにかけて、外来種問題をテーマにしていきたいと思います。これは、何年か前にもチャレンジした企画なのですが、不完全燃焼で終わってしまったこともあり、また、最近になって幾つかのきっかけもあり、もう一度、真正面から取り上げてみたいと思った次第であります。

とりあえず、来週の土曜日にまた配信があるとして、まずはそれまでに、どれだけ頭の整理ができるのか。行けるどころまで行ってみたいと思います。


(1)きっかけ

そもそも「ミニ地球」では、アクアリウム上級者の人達が高いお金を出して買うような、育成難易度が高い種を使うことはありません。言うまでもなくそういった種は、完全密閉という過酷な環境では生き残ることができないからです。

結果的に、動物も植物も、世界中から集められた適応能力の高い、最強種とでもいうべき生き物達ばかりで構成されているのが、1トン級ミニ地球「バイオキューブ」です。

例外的に、グリーンウォーター対策として投入された、シジミ、ヒメタニシと、壁面につく藻類の対策としてたまたま家に沢山いたカワニナが入っていますが、最強レベルでないものはこれくらいでしょう。他のものに関しては、

魚…グッピー

エビ…ミナミヌマエビ

ヨコエビ…フロリダマミズヨコエビ?

巻貝…サカマキガイ、レッドラムズホーン

ウキクサ…アゾラ、ミジンコウキクサ

浮かんでる水草…オオカナダモ

根を張る水草…スクリューバリスネリア、ロタラ、アルテルナンテラレインキー•ミニ

という感じで、それぞれ、適切に管理すれば増え過ぎて困るようなものばかりです。このように、原産地などに全く配慮せず、人工的につくられた生態系が、曲がりなりにもバランスをとっているのが、私の「バイオキューブ」なのです。

また、私は過去の梅酒ビンを用いた「ミニ地球」実験において、次の2つの重要な知見を得ました。


①ミニ地球に専門的な知識や、絶妙なバランスなど必要ない。生物を詰め込み過ぎなければ、ビンの中で、生物達が勝手にバランスをつくってくれる。


②しかし何故か、ミニ地球には寿命があり、最終的には全てのエビ、全てのサカマキガイが死ぬ。その寿命は、容器の大きさで決まり、8リットル梅酒ビンでは、ミナミヌマエビが3年、サカマキガイが5年程度らしい。


ミニ地球に寿命をもたらす要因は何なのか?

一方で、今、うまくいっているように見える「バイオキューブ」の中で何が起こっているのか?

これらのことについて調べ学習をしてきたのですが、おぼろげながら見えてきたのは、

「生態系については、まだまだ分からないことだらけ」ということです。


(2)種の保全、侵略的外来種は緊急性の問題

つまり、我々は「まだよく解明されていない生態系」を必死になって守らなければいけない、という世界に生きています。

しかし、環境保護や外来種問題というのは、非常に議論が混乱しています。何故、議論が混乱しているのか? それは「生態系が解明されていない」ということの他にも、重大な原因がいくつもあります。


(ア)利益を受ける人とそうでない人がいる


長期的(数十年以上)な見方をすれば、生態系を保護することは人類全体の利益につながると考えて良いでしょう。少なくとも、その逆、つまり生態系を破壊し尽くした地球では、人類の存続もまた極めて困難になることは明らかです。

しかし短期的には、生態系を破壊することで莫大な利益を得る企業、票を獲得できる政治家、そして、何とか生き延びるだけの食糧を得ることができる貧困国の人達、それらが同時に生きているのがこの地球です。

古くは、タバコの会社が、喫煙と肺癌の関係を否定して、莫大なお金を使って御用学者と弁護士を動員して裁判で争いました。

もう少し最近の例では、地球温暖化を否定したり、温暖化の原因が人間の活動であることを否定したりしていた学者には、石油産業から研究資金が投じられていた例が無数にあると思います。


(イ)人間が環境を破壊した後でやってきた、外来種への責任転嫁も見過ごせない


田んぼの生き物が減り、メダカやドジョウを見かけなくなったのは、おそらくカダヤシのせいというよりは、水路をコンクリートにして、農薬を使いすぎたせいでしょう。また、ナマズやスッポンが生き残っているような環境では、アメリカザリガニ、ブルーギル、ブラックバスとて容易に生態系を破壊することはできないと思います。


(ウ)情緒的な問題は無視できない


ここまでに書いたことと関係すると思いますが、そもそも環境問題というのは、何故か素人が自信満々に、専門家に対して反論を述べるという不思議な分野です。

日本各地でコイや金魚を放流するイベントは厳しい批判にさらされ、かつて縁日などで手に入れたミドリガメわ川に逃しまくったことについては日本中が反省していると思いますが、もっと微妙な例ではどうでしょうか。

高度経済成長の時代よりも、多くの河川は綺麗になりました。そこで「ホタル」を復活させようという試みもまた、日本各地にあると思います。

極端な例では、暗渠化されていて、完全に生態系壊滅した川を地上に復元し、さらに近くからホタルとその餌になるカワニナを再導入したというような例もあります。これも、いわゆる国内外来種ですが、それはどう判断すべきなのでしょうか?

また、議論の本筋からは少しずれますが、欧米の捕鯨反対運動なども、彼らは環境保護の一環だと考えているだろうし、運動に参加している人の情緒的な側面は激烈なものだと想像されます。

最も極端な例では、生態系はそのもの自体に価値があるから保護するべきであり、人間が利用するために保護するのではない、という立場の人達もいるようです。ディープエコロジーと言うそうですね。

 また、「生態系が解明されていない」ことと関係が深い、議論が混乱する原因もあります。


(エ)「在来種と外来種」も「生物多様性」も、突き詰めて考えると難解であり、曖昧だったり恣意的だったりする概念


これについても後日に記事をまとめたいと思いますが、かといって、私はこれらの概念が有効でないと主張したいわけではありません。

要するに、これらの概念は生態系を理解するための完全な「解」にはなりませんが、現在のところ、我々が持っている最善の道具であり、沢山の専門家の人達が作り上げた知恵の結晶として重要視して、有効に活用すべきものです。


ちょっと長くなってきたので、今日は問題提起をして終わりたいと思います。少々、風呂敷を広げ過ぎた感はありますが、これをどこまで畳むことができるのか、頑張ってみようと思います!


1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の、

観察•考察シリーズ! 次回はこちら!



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