井上尚弥vs ルイス•ネリ | ミニ地球世界のプチ神様を目指して

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今日は中谷潤人、井上拓磨、田中恒成のトリプル世界戦が行われる。しかし本記事はあえて別の話をしたい。


日本ボクシング史上、最大のイベントが近づいている。


中々正式発表されないのだが、日本ボクシング史上最高傑作にして、4回級王座にして、世界史上2人目の二階級4団体統一王者、井上尚弥が、あの「悪童」ネリと来る5月6日に東京ドームにて激突することがほぼ本決まりだそうなのだ。


「悪童」ことルイス•ネリについて、ご存知ない方もいるかもしれない。2017年8月というと、もうずいぶん昔のことだが、同時バンタム級世界王者を連続12回防衛していた「神の左」こと山中慎介選手を圧倒的な強さで4ラウンドTKO勝ちしたあとに、ドーピングが発覚し、国民の大バッシングを浴びて日本で一躍有名になった選手である。

さらに翌2018年3月に、山中慎介は引退をかけてリベンジに臨んだが、ネリは今度は大幅な体重超過を犯し、更に日本人の怒りを買った。ネリは王座を剥奪されたものの、当日軽量で課せられたリミットをクリアしたため試合は成立。減量によるダメージも少なく、ノビノビと戦うネリは山中慎介を一方的に2ラウンドTKOし、日本人の怒りは頂点に達した。


誇り高き山中慎介は潔くこうコメントした。

「試合だけに関してはただ僕より強かった。でもルールがある。人として失格。いらつきは納まらない。これからは、ちゃんとして欲しいし、ボクシング界全体でもっと厳しくして欲しい」

そう、体重超過の影響はあったにせよ、ネリが強かったことは確かだったのだ。そしておそらく、山中は選手としての全盛期を終えつつあった。なおさら、やり切れないし、割り切れない。


また、ネリの強さの秘密がドーピングにあるという考えもある。一度でもドーピングを使用すれば、トレーニングを続けるかぎり、その効果が消えることは無いと考えることこともできる。しかし、ルール上は出場できてしまう。この点でも、日本人はイライラさせられてしまう。


さて、ネリは何度も井上尚弥を挑発してきたが、井上尚弥がバンタムで無双している間に、ネリは一階級上げて、スーパーバンタムに戦場をうつし、そしてフィゲロア(イケメン)に敗北した。今、ネリが井上尚弥に挑戦できるのは、その挫折を乗り越えて、勝利を積み重ねてきたからなのだ。


一方で、ネリにスーパーバンタム級の厳しさを思い知らせたフィゲロア(イケメン)は、フルトンに敗れ、その後はフェザー級に階級を上げた。


要するに、今の時点において、

ネリに勝ったフィゲロアに勝ったフルトンに勝った井上尚弥という事実関係がある。


これを不等号で表すとこうなる。

ネリ<フィゲロア<フルトン<井上尚弥

なのだが、ボクシング識者達は口を揃えて

「ボクシングに三段論法は通用しない」という。

いや、「三段論法」じゃなくて、ただの「推移律」だろ! と理系ならツッコミたくなるが、この「ボクシングに推移律は通用しない」をどのくらい真剣に受け止めるべきかは判然としない。


数学的には、一つでも例外が見つかれば、命題を偽とする。「推移律」の例外は一つどころで済みそうもないが、それでも、かなり多くの場合に「推移律」が成り立っていると仮定しなければ、現在のランキングのシステムそのものを否定することになりはしないだろうか。

仮にボクシングにおいて、「推移律」が参考にもならないほど例外が多ければ、選手たちはランキングを決めるのに、リーグ戦をするしかなくなるはずだ。実際に、野球やサッカーでリーグ戦が行われるのは「推移律」が弱く、「ジャンケン」的な要素が強いからではあるまいか。


そしてボクシング識者達は口を揃えて、やはり井上尚弥が優勢だと言う。暗黙のうちに、だいたい推移律が成り立つことを認めているように見える。

素人目に見ても、ネリと井上尚弥では、根本的なスピードが違うように見える。加えて、少なくとも、ネリはフルトンのような完成度の高いボクサーではないだろう。


しかし東京ドームでのボクシング興行である。1990年、あのマイク•タイソンが世紀の番狂せで敗北した場所。歩きながらテキトーなアングルで繰り出されるネリの変則パンチは、「まさか」の恐怖を抱かせる。井上尚弥とて、万一がないわけではない。

いや、万一は幾ら何でも大袈裟だろう。20回に1回、10回に1回レベルのラッキーパンチが当たってしまったら…。ネリにはそういう怖さがある。

実際に井上尚弥は、圧倒的に有利と言われていたWBSSの決勝で、序盤にノニト•ドネアの必殺のフックをもらい、鼻骨•眼窩底骨折を負って戦うことになった。ドラマインサイタマと呼ばれる試合である。ドネアが全盛期であればあの一撃でKOされていた可能性はあると思う。ネリもまたハードパンチャーであり、ラッキーパンチがカウンターで入れば、そこから得意の左右の連打を繰り出してくるだろう。人間の耐久力には限界がある。井上尚弥とて、である。

もちろん、井上尚弥のパンチが先に当たる方が、可能性はずっと高い。そして、パンチの威力でも、精度でも井上尚弥の方が上だ。しかし今回の試合は、過去のどの試合と比べても「まさか」が起こり得る怖さがある。


私は断じて格オタなどではない。れっきとしたニワカ層である。そして、年齢を重ねるごとに、スポーツに関してはナショナリズムのような感情が自分の中に育っていることを否定できない。声を大にして、言いたい。


ネリがボコボコになって悶絶KOされるところが見てえ!

出稼ぎに来たことを後悔するぐらいの苦痛にのたうち回れ!


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