水族館、科学館の方々のリテラシー | ミニ地球世界のプチ神様を目指して

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密閉水槽という閉鎖空間での実験。初めての方は、テーマから「バイオキューブ」の記事をご覧下さい。
40過ぎのキモカワ系男子・虫歯天使が前人未到の領域に挑戦する。→ In English
https://ameblo.jp/msibatennsi

おはよーございます!

明日の健康のために残業をせずに早めに帰宅した結果、職場でのパワハラが原因なのかなんなのか、気がついたら深酒をしてしまって、二日酔い気味の朝をむかえた虫歯天使です!


さて、先日話題にした、バイオフィルム仮説ですが、

テキトーに検索してみると、どうやらアクアリウムの世界で「魚がバイオフィルムを食べる」、さらに「そのバイオフィルムには原生生物が住んでいる」と考えている人は沢山いるようでした。


しかし先日の記事で紹介したような、根拠となる研究が何なのかはっきりしません。そこで、上記のような意味合いの説明をしている水族館のブログ(飼育員さんが書いている)があったので、ミニ地球の先行研究について調べるついでに、思い切って水族館に電話してブログのことも質問してみることにしました。


私の質問のセリフは、一言一句覚えているわけではありませんが、だいたいこのようなものだったと思います。

「ブログには〜〜のように書かれていましたが、魚がバイオフィルムを食べているとか、そのバイオフィルムに原生生物が住んでいるっていうのは、おそらくそうだろうと考えられるっていう意味で書かれていますか? それとも、何かそれを立証した研究が存在するのでしょうか? もしそうであれば、論文などを教えてほしいのですが」


それに対する彼の答えは次のようなものでした。丁寧な言葉遣いなのですが、子供を諭すような超上から目線な感じの説明で、

「水槽の中では微生物っていうのは◯◯な感じでいるわけでしょう。それで魚が△△だから、⬜︎⬜︎だと思いませんか?」


いや、あのさあ。

私もそう思っているから、

「立証されているのか?」を質問したんだけど。

あなた、何一つ質問に答えてませんよね。

っていうか、これが単に「面倒くさい電話をテキトーにあしらうための応答」ならばまだ理解できないこともないんですが、だとしたら、いったい、彼は彼自身をどう納得させているでしょうか?


自戒の意味も込めて書きますが、明らかに、

(1)この仮説なら辻褄が合う

という事と、

(2)この仮説が確かめられている

というのは別のことなんですけど。

これはあくまで私の主観ですが、電話で話して下さった方は、この二つを混同している人特有のトンデモ臭が電波越しに漂ってきていました。


次に私はこの方に、ミニ地球の先行研究について訊いてみました。その答えは驚くべきものでした。

「無理だと思いますよ。水槽の中では例えば◯◯という栄養素ひとつ考えてみても。それで魚や水草が△△だから、⬜︎⬜︎で、無理思いませんか?」

「いや、あの、無理っていうか、1850日経ってもアカヒレが生きてるっていう成功事例が実際にあるわけなんですけど」

「だとしても永久に保てるわけではありませんよね?」


永久!?

ハードル上げるにも程があるだろ!

っていうか、ミニ地球以外のどんなアクアリウムでも、「永久に保てる」ものなんか無いだろ!

であるならば、彼の言葉を借りれば、

全てのアクアリウムが無理

ということになってしまいます。

さすがに電話を切ったあと、笑ってしまいました。

水族館の飼育員さんといえば、超人気職業だときいたことがあります。すごい競争を勝ち抜いて職を得た人なのだから、頭が弱い系の人は居ないのかと思ってしまっていましたよ。

実は、けっこう古くからの知り合いの水族館の方がいて、すごく親切で博識で賢くてリテラシーが高い方だから、みんなああいう感じなのかと思ってしまいましたよ。


ミニ地球に関する先行研究を、電話取材によるローラー作戦で調査することを始めてから、何度か、科学館の方のおっしゃることに疑問を感じずにはいられない場面があった。


例えば、過去にミニ地球の展示をやっていた某科学館(国内でもかなり規模が大きい方だと思う)では、次のように言われた。

「その展示は今ではやっていません。その展示の係だった者も退職してしまって、詳しいことは分かりません」


なんじゃそりゃ!?

そりゃ、忙しい仕事なのだろうし、お客さんへの対応が最優先だとか、色々と事情はあるのだろう。しかし、科学館の学芸員さんって、研究するのも仕事じゃないの?

地方自治体が運営する科学館なら、そのミニ地球にも税金が投入されていたわけだし。

展示が終わって、担当者が居なくなっただけで、展示の詳細が分からなくてなるなんて、最低限の記録すら残していないのだろうか。


更に言えば、ミニ地球のように対応する学界や論文が存在せず、中心となる担い手が科学館だと思われるようなものに関しては、その記録を取ることの重要性は明らかでしょう。また、在野の研究者に情報提供することも、仕事の一つなのではないでしょうか。もし、忙しいときに電話がきて丁寧な対応ができないのであれば、改めて時間を指定してくれれば、私だってかけ直すくらいのことはしますし。


しかし、電話のトーンでは、あくまでもこれは私の主観ですが、

「このようなガチの問い合わせ自体が迷惑。こっちは子供向けの子供騙しの展示でメシ食っとるんじゃい」

という気持ちが電波越しにヒシヒシと伝わってきました。空気を読むのが苦手な私が、こんなに感じるんだから余程のものでしょう。

これで科学館の学芸員としてOKっていう感覚が…これも一種のリテラシーの低さだと思わずにはいられぬ今日この頃です。


っていうか彼らにそんな科学リテラシーがあると思い混んでいた、世間知らずな私の科学舘•水族館リテラシーが低いということなのでしょうね。


1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の、

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そもそもこのブログは何なんだ!?

という方は、以下の記事からどうじょ!



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