バイオフィルム仮説とグッピーの行動変容 | ミニ地球世界のプチ神様を目指して

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密閉水槽という閉鎖空間での実験。初めての方は、テーマから「バイオキューブ」の記事をご覧下さい。
40過ぎのキモカワ系男子・虫歯天使が前人未到の領域に挑戦する。→ In English
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また仮説かよ……と思われたそこのあなた!

非常に熱心な当ブログの読者様とお見受け致しました! そうです。私が、仮説製造機、虫歯天使です!


私が今回説明する仮説に至ったのは、次のような経緯があってことです。

そもそも、1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の実験開始にあたり、1000匹以上投入されたのがミナミヌマエビです。しかし、実験開始直後からその数は激減し、毎日の観察で、たった1匹見つけるのにも平均して10分くらいかかるようになりました。明らかに、グッピーか、もしくはフナか、もしくはウグイによる捕食を受けていると考えられました。


衝撃的だったのは、グッピーが、メダカより少し大きい程度のガタイしかないにも関わらず、ヒメタニシを襲い、身を引っこ抜いて食べてしまうという行動を目撃したことでした。また、生きているのを襲ったのかは定かではないのですが、シジミもグッピーの手にかかり、ヒャッハー祭りになっているのも目撃してしまいました。


実はグッピーがミナミヌマエビを捕食する瞬間は見たことがないのですが、ヒメタニシやシジミまで襲われる状況では、ミナミヌマエビなどひとたまりもないと思います。私はミナミヌマエビ激減の主犯はグッピーで確信しています。


しかし何故か、絶滅しそうでしないミナミヌマエビ。実験開始から100日が経過してもなお、激減した後は一定数に落ち着いているようでした。


土日に仕事が休みの際には、昼間の明るい「バイオキューブ」の様子を観察できます。私は最初、グッピーが寝静まる夜にミナミヌマエビが活動しているのかと思っていたのですが、むしろ昼の方が、ミナミヌマエビの姿が沢山観察できます。そして、グッピーが近くを通りかかっても、意外と興味を示していないのです。


また、実際開始から100日が経過し、第二世代のグッピー達がだいぶ育ってきました。どうやら、最低限のエサは存在しているようです。


そのグッピー達の行動を観察していると、やたら底床をつついているのが目につきます。その頻度が半端じゃないのです。よくよく思い出してみると、以前は、少なくとも実験開始直後などは、こうではなかったような気がします。そうです。グッピーの行動が変わったような気がするのです。


互いに鬼ごっこをするように泳いでいる時以外、基本的に底床をつついている感じです。この行動は川砂ゾーン、落ち葉ゾーン、プラチナソイルゾーン全てで見られますが、頻度でいえばプラチナソイルゾーンが一番な気がします。それも、日光が届かず、水草もアオミドロも生えていない、水草の枯葉などがまばらに落ちている、「バイオキューブ」内では最も不毛のゾーンが、一番つつかれているのです。


もはや、そこに餌がある以外には考えられません。そしてその餌をずっと食っている方が、無理に巻貝やエビを襲うよりもコスパが良いのでしょう。何も無いように見える所に、ある程度栄養価の高いエサが安定して存在しているという、不思議な結論になります。


そのとき、私の頭に浮かんだのがバイオフィルムという言葉でした。さっそく「バイオフィルム エサ」で検索してみると、凄まじいことが明らかになりました。



なんと、干潟に発達するバイオフィルムが渡り鳥の餌になっていることが証明されたというのです。うーん、すごい研究だなこれ。

渡り鳥の餌になるくらいだから、グッピーくらい余裕でしょう。干潟じゃないけど。干潟ではありませんが、「バイオキューブ」は他のミニ地球と比べ、平べったい形をしているので、底床の面積は非常に大きいです(3平方メートル)。


ざっと検索してみた範囲では、アクアリウムにおいては、どういう魚がどういうバイオフィルムを食べているのか、というようなことを明確に立証した研究はヒットしませんでしたが、バイオフィルムが魚のエサになっていると当たり前のように考えている人はけっこう沢山存在しているようでした。


私の調査不足でなければ、これは、「かなり多くの人が確からしいと思っている仮説」ということになるでしょう。


ではそのバイオフィルムというのは何かというと、何かに付着した細菌がEPSと呼ばれる細胞外多糖を分泌し、それをバリアーにしてコロニーをつくっているものだそうです。で、もう一段仮説度が上がるのですが、アクアリウムにおいては、おそらく、ここに更に、細菌を捕食する原生生物が繁殖していて、それらが水中の懸濁物を凝集させて、ミクロの食物連鎖を築いているのだと思われるます。


これらが底床に発達すると、グッピーにとっては安定した食料になるのだと思います。そして、このようなバイオフィルムが発達して安定するまでにかかる時間、それから、グッピーがそれを餌だと認識して行動が変容するまでの時間が、おそらく数十日程度必要だったと思われるのです。


おそらくバイオフィルムを食べいるのはグッピーだけではありません。昔から、私の中で、ミナミヌマエビは一体何食ってるんだ問題というものがありました。たぶん植物遺骸と微生物なんでしょうけど、微生物なんか見えるのか? しかもそれを捕まえ食えるのか? ということがずっと疑問でした。しかし、微生物をいちいち識別して食っているのではなく、バイオフィルムを見つけて、微生物の群集をまとめて食っていると考えれば、これはとても無理のない説明になると思います。


1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の

観察•考察シリーズ、次回はこちら!



前回はこちら!『偉大なる先駆者』おはよーございます!私の遺伝子は本当に利己的なのか、リチャード•ドーキンスを小一時間問い詰めたい、虫歯天使でございます!ふう。ダイエット中なので、日曜日の晩ご…リンクameblo.jp


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