新橋演舞場で芝居を観たのは24年ぶり。
24年まえに観たのは故・中村勘三郎さん、藤山直美さん、柄本明さんたちがメインの喜劇だった。
今回も、喜劇。
それも軽演劇。
最後の喜劇役者がいまや代名詞の伊東四朗さんは軽演劇について、かつてこう語っていた。
「小屋でアハハと笑って帰りの電車ではもう忘れてしまう、そういうのが理想ですね」
熱海五郎とは三宅裕司さんのことで、座長。
一座のメンバーは、小倉久寛・渡辺正行・ラサール石井・春風亭昇太・深沢邦之の諸氏。
伊東四朗さんに及ばないから「熱海」「五郎」のわけである。
その伊東さんと松下由樹さんが客演。
松下さんは都知事役。
時期も時期とて、あの方を彷彿とさせる。
松下「プロジェクションマッピングもやっちゃおうかな!」
三宅「それはやめたほうがいいと思います」
なんてやりとりで客席を笑わせる。
ネタばれ失礼…
伊東四朗さんは来週で87歳になる。
それでも台詞回しおよび間によるボケで笑わせるのがすごい。
そのセリフは途中でことばが途切れ、そのまま妙に間が空き、全身フリーズしたようになったりする。
その瞬間、三宅さん以下がすばやくツッコミを入れる。
つまり、伊東さんは加齢そのものを藝=笑いに昇華しているわけだ。
日本最初のシルバー・「ゴールド・コメディアン」であるとおもう。
舞台名の正式名称は、「熱海五郎一座 スマイルフォーエバー」です。
笑う門には福来る❗️