2年ほど前に、プロレスを観戦しに行った際の話をしてみよう。
我が素晴らしき筋肉友達であり、ベンチプレス競技における最大のライバルでもある 「ロシアのシロクマ」 さんに誘われて、プロレス団体 「ドラディション」 の興業を観に行った時のこと。
会場に到着すると、そこはプロレスファンでごった返しており、その中には、なぜかチャンピオンベルトを肩に掛けている男などもいて (もちろん体格などを見るにつけて本物のプロレスラーで無いことは明らかであった)、ずいぶんとコアなファンもいるものだなあ、と大いに感心させられたことであった。 当然。チャンピオンベルトはきっと精巧なレプリカだろう。
さて試合が始まり、往年の超有名選手らも登場して、非常に充実したプロレス観戦となるはずであったのだが…。
俺の席はすぐ右横が通路という位置であり、その通路を挟んだ席に座った観客が、俺のことを終始ジロジロと見つめてくるではないか。
試合中にも、時折俺のほうにチラチラと視線を飛ばしてくる。
よく見ると、開場した際に見かけた、チャンピオンベルトをぶら下げた男だった。
ぶしつけに見つめられて気分は悪かったけれど、喧嘩を売ってくるような剣呑な雰囲気も無かったので、そのまま捨ておくことにした。
さて試合の全カードも終了し、この大会に誘ってくれたシロクマさんが、知り合いであるレスラーの長井満也選手を呼んで一緒に写真を撮らせてくれるというので、それを待っていると…。
例のチャンピオンベルトくんが話し掛けてきた。
「本物の観客の人だったんですね。。。」
ん? どういうことなのか解らない。
よくよく訊いてみると、
「無名のプロレスラーが試合中に乱入して名前を上げようというアングルかと、これは凄いシーンが見られると思って、ずっとアナタのほうを見ていたのですが何も無かったので…。 まさか、本当にただの観客の人だったとは。。。」
ときた。
つまり俺は、観客にまぎれて乱入の機会を窺っているプロレスラーと思われていたらしい。 「ただの観客」 で悪かったな。
これには苦笑させられたが、日々肉体鍛練に精を出している身としては、マニアックなファンからプロレスラーに間違われたことについて悪い気はしなかった。
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かつて一度このブログに載せたことがあるが、長井選手との1枚。
向かって左側のサングラスをしているのが俺だ。 試合中に乱入してでも売れようとする無名レスラーにしては、チョイと歳をとり過ぎているのではないかねえ。
ちなみにこの大会に誘ってくれたシロクマさん(あるベンチプレス大会においてご一緒に撮った写真、向かって右。 体幹部や手足のゴツさが尋常ではない)も、あるプロレス会場に観戦に行った際、やはりレスラーに間違われたコトがあるらしい。
その時は開場を待って観客として行列に並んでいると、係員の人から 「選手の人はコチラです」と、通用口に連れて行かれたそうになったというのだから凄い。
俺のエピソードを1段階上回る逸話で、これには大いに笑わせて頂いたことであった。