昭和の時代 雑誌平凡 | 武蔵野舟木組 2024

武蔵野舟木組 2024

               さすらい

 

平凡、明星、近代映画

当時はアイドルなどと言う言葉は使わなかったが、アイドル雑誌の御三家と言えばこれだ。

平凡も近代映画もなくなってしまったし、明星はMyojoになった。

 

現在の雑誌とは違い、印刷も良くないし紙質も良くない、更に製本も良くないから、今の本と比べると異質なもので、如何にも古い本であると判る。巻頭にはスターのグラビア写真が載っているのだが、本によっては写真印刷が二重になっていたりする。

 

未だカラー写真が高価な頃だから、カラー写真はごく一部で、白黒写真に赤や青、緑と言った色を重ねて、如何にもカラー写真のように装っていたりする。上の写真の「表紙の一言」も実は色が付いていたが、読みにくいので白黒に変換している。

 

殆どの紙は、今は見る事がなくなったわら半紙が少し厚みを持ったようなもので、あの薄茶色だ。製本も何ページかをホッチキスで止めて、それを重ねて糊を使って表紙を付けているから、今では考えられないようなものだ。

 

御存知だったかも知れないが、プライバシーなど余り言われていなかったから、記事のページの下などには、スターの住所が平気で書かれている。今考えるととても怖い。(笑)いつからかそれはプロダクションの住所のなり、その後は一切記載が無くなった。当たり前と言えば当たり前の事だ。

 

文通欄には、全国のペンフレンドを求める人たちの名前と住所、簡単なプロフィールが載る。それらを見ていると、既に働いている10代の男女の名前が多い。女工さん、工員さん、美容師見習い、お手伝いさんなど、働く若者たちが沢山読んでいるのが良く判る。

 

「舟木一夫さん、三田明さんのファンです。同じファンの方お手紙下さい。」

17歳 美容師見習い  ○○県○○市  ○○〇子

住所や名前の他に、小さな写真が載せられている事もあった。

 

広告もいろいろ載っていて、記憶力の良くなる頭脳磁気バンドとか、背が伸びる器械とか、赤面症を治す、ドモリを治すなんてものも有る。オッパイが小さくて悩んでいませんか。なんていうのも有ったりする。

勿論ちゃんとしたメーカー品の広告もあるのだが、胡散臭い広告は定番の様に載っている。

 

やはりいま見て面白いのは、企画ものの対談などで、スター同士の対談もあるのだが、力道山や大鵬関、野球選手などとのスターの対談は、当時中々出会わない人同士なので面白いと思ったりする。

 

さすらいの剣道の先輩は、平凡のカメラマンだった人で、そうした現場には良く行っていた。そうした現場の、私たちの知らないスターの人柄の話を聞いたものだ。あの大スターが、カメラマンだった先輩を困らせた話には、好きなスターだっただけにがっかりしたものだ。

 

昭和の良き時代、50年半世紀も前の雑誌には、懐かしさもある反面、なにかいい加減さを感じたりする。

まぁそれが良い時代だったんだろう。