クリムト「接吻」
2009/2/23
クリムトの接吻を見に行くとき、胸がどきどきしていた。
入ってからは気がせって、ほかの絵は目に入らなくて
どんどん先に進んだ。
接吻ではないクリムトの絵があった。立ち止まった。
むき出しに展示されていてたった5センチの距離から
絵の具の盛り上がりまでよく見える。
少し落ち着いた。
「いよいよだね。」
そういわれて、次の部屋に『接吻』があるんだと分かった。
どきどきした。
最初見た瞬間、ガラス張りになっているのが目にはいって
正直がっかりしてしまった。
13年間恋焦がれた絵なのに、がっかりするものなんだと思った。
がっかりした自分にがっかりした。
でも、違った。
近づいていくとこれまで何回見たか分からない絵なのに、
私が思っていた色使いとまったく違った。
足元の花は想像よりずっと淡い紫でそこに咲いていた。
衣装の金模様は浮き上がるほどに絵の具が重ねられていて
さらに、銀の絵の具も金に負けないくらい使われていた。
ふたりを囲む大きな光からは
ファムファタルの足元にかけて金の精子があふれ出ていた。
ファムファタルの衣装のポピーは私が思っていたよりずっとずっと
明るい印象で、朱色に近い色だった。
どうやったらこの絵を一生覚えていられるだろうかと思った。
何度も目をつぶっては開いて、写真のように、複写機のように
心、の記憶の引き出しにきちんと入れておきたかった。
ずっとこの絵の前にいたいと思った。ここだけでいいと思った。
この絵を見るためにずっと旅をしてきたような気がした。
”最後にふさわしい”って何だろうと
『深夜特急』を読みながら思っていたけれど、
これ以上何をみてもこれ以上のものはない、
そう思うものに出会うことなんだって分かった。
そういうことだった。
大げさじゃなくて本気で
「生きてて良かった。」
ってつぶやいた。
15の時に初めて見てから理由も分からないけど、ただ好きで
いつか本物を、
いつか見てみたい、
13年間ずっと思い続けたものが
こうしてウィーンまで来て、ちゃんと見られたことに感動していた。
有名だから、とかじゃなくて。
好きなものに理由なんてなくていい。
人に説明なんてできないもんなんだ。
ただ、幸せだった。
その場に立てたことが嬉しかった。
宮殿内部
2009/2/23
宮殿内部に入ると、美術館の受付がありました。
上宮を見るか下宮も見るかで料金が違うといわれました。
「ここでクリムトの絵が見られる?」と質問してみると
「ええ、ここで見られるわよ。」とマダームが答えてくれました。
クリムトさえ見られれば、ほかはいらない。
といことで、チケット購入。
中をすすむとまず豪華な階段がお出迎えしてくれます。
さっそく写真を・・・と思ったら、ぶあいそなガードマンが
「No Picture!」と言ってきました。
ここだけだめなの?ほかはいいの?と聞いてみたら、
どこもだめだ、と言っている(ような気がする)。
私も彼も英語が母語ではないので、ちょっとあやふや。
でもそれ以上突っ込むのはやぶへびなのでカメラをしまうことにしました。
そして荷物やコートはクロークが奥にあり、預けることに。
預けるのには小銭が必要でしたが、
一度に預けるならコートが二枚でも良いということで
はるちゃんと一緒に預けます。
一緒に預けたら、一緒のハンガーにかけてました。
ああ、そういうことね。
内部はさすが、宮殿ということで豪華絢爛です。
ベルサイユのときに感じた、「古びた感」もなく私のテンションはあがります。
あれ?観光客が写真を撮っている部屋があります。
さっきのNoPictureはやっぱり、ちょっと誤解だったのかなあ。
鏡まで用意してあるし、ここには絵画はないし。
大丈夫かな。
ということで、私も写真をとってみました。








