昨日のブログに書いたがスローライフは頭を使う、てんで、毎日前頭葉はフル活動。
今週の月曜日袷の着物と単衣・盛夏物の着物の入れ替えをしようと、着物の整理を始めた。二棹ある箪笥の着物を入れ替える時、四隅に樟脳を入れる。
在庫があったはずだと探してみたら、前回使い切ったようで樟脳が無かった。そこで自由が丘の緑道沿いの馴染みの薬屋へ行き、取り寄せてもらうように頼んだ。
この時アタシが長年使っていた藤沢の樟脳は、生産中止で手に入らないという。それなら何でもいいから樟脳を二箱仕入れてくれるよう頼み店を後にした。
ここ数日網戸の修理をしているが、戸車が外せず悪戦苦闘。昨日すいとんを入れた容器の回収ついでに自由が丘の不動産屋の若旦那に御覧の道具を借りた。
すいとんの容器はまだ自宅てぇ事で、後日取りに行くつもりで、近所の畳屋へ寄り、容器を回収して帰宅した。
アタシの道具は今は工房、てぇ事で借りてきた電動ドライバーをさっそく使うことにした。
ドライバーの先を接着剤でネジ山に固定し、固まるのを暫し待つ。
この作業が終わった所に樟脳が入荷したとの電話。早速、緑道沿いの薬局へ向かった。
薬局手前のスーパーの前で、自転車が動かなくなったご婦人が居た。そこで、チョイ見てやるとチェーンが外れ、カバーを外さなければ直せない。
「この先の奥沢神社の隣に自転車屋があるから、そこで直してもらいな!」とその場を後にした、この時アタシの手はチェーンをいじったので御覧の様。
この手を見て半世紀前を思い出した、銀座のデザイン事務所へ勤めていた若い頃、自由が丘の中華料理屋梅華の前で自転車の上に倒れているご婦人がいた。
「大丈夫?」と問うと、そのご婦人は起き上がりながら「こけてもうた!」と一言、自転車を見るとペダル当たりの部品が外れていた。
そこで辺りを見回すと、地べたにその部品らしきものが落ちていた。それを拾い手でねじ込んだあと「自転車屋で見てもらいな!」と一言言いその場を離れようとした。
するとそのご婦人が「これ使って下さい!」と折り畳んだハンケチを差し出した。それで手の汚れを拭き、すぐそばの自由が丘駅に向かった。
この時二人の側に工事をしていた野郎が三人、ヘラヘラ笑いながらこの様子を見ていやがった。その時は二十代半ばの好青年、三人をにらみつけて立ち去ったが、今なら黙ってはいないと思う。
指の汚れを見て、瞬時に半世紀前の事を思い出したのである・・・。
薬局で受け取ったのは御覧の樟脳、着物の入れ替えはもうちょい後にする・・・。
電動ドライバーを使っても戸車のネジは外せなかった、その後工具で色々試している時、良い考えがひらめいた。それは次回工房へ行った時、遣るつもり。
どの道具と材料を使い、どうゆう風に創るかは、瞬時に前頭葉が浮かび上がらせてくれた。
長年使っていた生産中止になった樟脳が、御覧の品。ネットで見たら18000円ほどの高値がついていた。ここにも日本の劣化が表れている、物の劣化ではなく、人間の劣化・・・・。
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